2015年08月30日12時16分掲載  無料記事
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反戦・平和

国会10万人集会で、国会議員有志が過剰警備を監視

  明日は戦争法案廃案と安倍政権退陣を要求して国会周辺と全国各地で同時に行動する「8.30国会10万人・全国100万人大行動」が予定されている。国会周辺のほか、全国45都道府県300カ所余りで大小様々な行動が行われる。主催は「戦争をさせない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」。国会周辺集会では今回初めて、国会議員有志が警察の過剰警備に目を光らせる。(上林裕子) 
 
 10万人の参加者を予定している国会周辺では、警察の過剰警備が集会のたびに問題化している。いつからか参加者が多く見込まれる集会の際には歩道と車道の間は鉄柵で仕切られるようになった。 
 
 また、人がそんなに多くない道を「こちらは混雑しています」と通さず遠回りさせたり、横断歩道を閉鎖して通行できなくしてたびたび参加者とトラブルになっており、場合によっては参加者が逮捕される事態も起きている。 
 
 超党派の議員で構成する「立憲フォーラム」(代表・近藤昭一衆議院議員)は「主権者である市民が集う環境を整えるのも議員の役割」であるとして、8月30日の集会に際し、議員有志が「過剰警備監視 国会議員監視団」のタスキをかけ過剰警備を抑止する。 
 
 総がかり行動の事務局を担う高田健さんは、警察の過剰警備が衆議院での強行採決のころから人権無視の状況になってきたとして8月10日、警視庁麹町署と警視庁に対し「過剰警備に関する申し入れ」を行ったという。 
 
 高田さんによると、「7月16日、正門前の座り込みの後散会した時帰ろうとする参加者に対し交差点を鉄柵で閉鎖したため混乱、実行委員会の申し入れにより封鎖は解除された」「その際交差点を渡ろうとした年配の女性が道路に倒れ、実行委員会の『病人を動かすな』と言う制止も聞かず、警官が歩道に女性を引きずり上げようとして実行委員ともみ合いになった」「委員会側の救護班が来て女性は救護車に運ばれ、重大な事態にはいたらなかったが、倒れた女性を医師の診断なしに無理やり移動しようとしたことに対して抗議、麹町署は謝罪したが、当該警官は氏名も明かさず謝罪もしなかった」という事例をあげ、警察側の過剰な警備についてのべている。 
 
 このほか参加した高齢者や障がい者を遠回りする道に誘導したり、具合が悪く日陰で休んでいる人を無理やり日向に引きずりだなどそのやり方は高圧的で、市民の言論表現の自由など基本的人権を侵害していると指摘する。 
 
 「戦争をさせない1000人委員会」の内田雅敏弁護士は、「60年安保や65年日韓条約反対のころは首相官邸横までデモ隊が入っていた」とのべ、その頃からみてもデモ隊の通路など制限されていると指摘する。また、「学生時代はデモの際に議員が『弾圧禁止』の旗を持って参加していた」と語る。 
 
 立教大学の西谷修教授は「大きな集会の際は警官がスクラムを組んで横断歩道を通さないなど、一般の人たちの表現をあらかじめ制圧する体制をとっている」「しかし、今のデモは昔のようにゲバ棒やヘルメットもなく、平和なデモ。それを制圧するのはおかしい」と指摘する。 


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