2015年08月30日20時35分掲載  無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=201508302035170

政治

8月30日 国会前・安保関連法案反対集会 人々の声1

  今日、8月30日、午後1時から国会前で安保関連法案反対の10万人の集会があると聞いて取材に出かけました。曇り空の下、国会前に多くの市民が集まっていましたが、やがて、小雨となり、傘をさす人も増えていきました。国会前の集会の中心は国会正門前で、その裏手の参議院議員会館前や衆議院議員会館前などでも別のグループがマイクを持って抗議の声明をしていました。警備に警察官が多数動員され、国会周辺の交差点で交通整理をしていましたが、基本的には集会から立ち去る人はどんどん通し、集会の中心である正門前に向かおうとする市民にはもうキャパシティがいっぱいなので、今、通すことができないなどと説明していました。 
 
  参議院議員会館前から国会正門前へ向けて横断歩道を通ろうとしたものの警察に通行を阻止されていた70代の男性は憤っていました。 
 
「ここは天下の公道でしょ?こうした規制は基本的人権の侵害じゃないですか。暴動になりそうな場合に限ってそうした規制もあるでしょうが、今、見てもおわかりの通り、普通より少し人が多いという程度ですよ。じいさん、ばあさんが大半でしょ。それなのに、<協力してくれ>と言うんですよ。ダメとは言いません。でも、どけと言ってもどかないですよ。」 
 
 この人は5月3日に横浜で憲法を考える集会に参加して以来、国会前に機会あるごとに来るようになったと言います。今日でおよそ10回目だそうです。いったいどうして、安保関連法案に反対するようになったのでしょうか? 
 
「明白な憲法違反です。閣議だけで集団的自衛権を通し、国会でも何を言ってもきちんと説明しない。それを追及できない野党も情けないですよ。でも、やっと若い人が動き出したことが希望の光です。」 
 
近くにいた別の70代くらいの男性にも聞いてみました。 
 
「憲法9条は日本のアンデンティティですよ。日本の顔なんです。それを口先三寸でごまかして集団的自衛権に変えました。丁寧に説明すると言いながら、全然ちゃんと答えていません。ひどいものです」 
 
  また、「平和憲法守れ」「安保法案絶対反対」の表示を胸に掲げていた女性は週一回国会に来るようになったと言います。 
 
  「中東まで自衛隊が行く必要はまったくないと思いますよ。アメリカは中東の人々から嫌われていますでしょ。でも、日本人は好まれているんですよ。それなのに、自衛隊がアメリカ軍と一緒に中東に行って戦ったら、今まで築いてきたものが失われてしまうでしょ。」 
 
 この問題に関して、今日初めて国会に来たという40代の男性にも聞いてみました。 
 
「安保関連法案を廃案にして、できれば国会を解散して欲しいです。そしてちゃんとこの法案を争点にして選挙をしてほしいと思います。18歳以上に投票権を認める法案だって、憲法レベルのことでしょう。それなのに、きちんと議論しないまま重要なことを次々と進めていることがよくないと思います」 
 
  小雨の中、国会周辺をぐるりと迂回しながら国会正門前に移動すると、シールズ(自由と民主主義のための学生緊急行動)の学生たちによるラップが行われており、その前に報道陣が集中していました。学生たちは戦争法案には絶対反対だと声をあげて周囲の人々から声援を受けていました。 
 
 
村上良太 
 
 
■8月30日 国会前・安保関連法案反対集会 人々の声2 ハンガーストライキ 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201508302121030 
■政治を考える 辻元清美氏に聞く リベラルが政権を担う日   その1 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201711141923462 
 
■野党共闘を考える 市民連合の中野晃一教授(上智大学)に聞く その1 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201711080022143 
 
■野党共闘を考える 市民連合の中野晃一教授(上智大学)に聞く その2 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201711080111133 
 
■野党共闘を考える 共産党幹部・植木俊雄氏に聞く 共産党はどのように共闘を決め、どのように進めてきたのか その1 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201711182057166 
 
■野党共闘を考える 共産党幹部・植木俊雄氏に聞く 共産党はどのように共闘を決め、どのように進めてきたのか その2 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201711182139086 
 
■ハンナ・アレント著 「革命について」 〜アメリカ革命を考える〜 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201401201800171 
■在特会が京都朝鮮第一初級学校周辺でまたデモ、 警察は厳重な警備を敷く 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201001151149575 


Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
  • 日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
  • 印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。