2015年10月02日00時24分掲載  無料記事
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国際

ND米紙ウィークリーニュース第57号(September 18, 2015) 〜ND(新外交イニシアティブ)注目の外交・安全保障関連ニュース

●目次● 
 
「中国海軍の艦艇 ベーリング海の米領海内を通過」NYT 9/4 
Chinese Navy Ships Entered U.S. Waters Legally, Pentagon Says 
 
「安倍晋三首相 自民党総裁に再任」NYT 9/8 
Shinzo Abe of Japan Re-elected as Leader of Ruling Party 
 
「韓国と北朝鮮 離散家族の再会事業を実施へ」NYT 9/8 
South Korea: North Agrees to Reunions 
 
「ISIS 外国人男性2人を人質か」NYT 9/9 
ISIS Says It Has Foreign Hostages 
 
「ロシアがシリアで軍備増強、米国懸念を表明」WSJ 9/9 
U.S. Voices Concern Over Russia’s Buildup in Syria 
 
「米シリア難民の受け入れ枠 1万人に拡大」WSJ 9/10 
Obama Seeks Admission for 10,000 More Syrian Refugees 
 
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「中国海軍の艦艇 ベーリング海の米領海内を通過」 
Chinese Navy Ships Entered U.S. Waters Legally, Pentagon Says 
 
 9月5日付のNYタイムズ紙は、米国防総省が4日、中国海軍の艦艇5隻が、米アラスカ州に面するベーリング海で、米国の管轄海域に一時的に侵入したことを明らかにしたと報じた。 
 中国の艦艇が、米国本土から12海里離れた北極海へとつながる海域を通過したことについて、同省のジェフ・デービス報道官は「事実上、米国の領海に侵入したことになる」と述べた。しかし、同報道官は、中国が一時的に米領域内を航海したことについては「国連海洋法条約に沿った行動であり、中国は国際法を順守していた」との認識を示している。 
 なお、米国防総省当局者によると、中国海軍の艦艇が同海域で活動していることが確認されたのは今回が初めてとのこと。 
 中国は、2014年4月には当時米国防長官であったチャック・ヘーゲル氏を同国の航空母艦の見学ツアーに招いており、米国の関係者らは、このような中国の動きを、東シナ海と南シナ海の領土問題をめぐり、係争諸国の緊張感が高まる中、中国が自国の海軍力を誇示したいとの狙いがあったのではないかと解釈していた。 
 一方、中国政府は先週、軍隊員30万人を削減する方針を明らかにしており、米国の関係者らはこの動きについて、「『平和を志向する』という中国の姿勢を誇示する狙いがあったのではないか」と捉えている。この削減の背景について同紙は、軍全体の近代化と統合化を加速させる狙いがあるとも見ている。 
 
「ロシアがシリアで軍備増強、米国懸念を表明」 
U.S. Voices Concern Over Russia’s Buildup in Syria 
 
 9月9日付ウォールストリートジャーナル紙は、米国当局が8日、ロシアの軍用輸送機少なくとも3機が、ここ数日の間にシリアに着陸したことを明らかにしたと報じた。 
 米政府や北大西洋条約機構(NATO)からは、ロシアがシリアへの軍事支援を強化している可能性を懸念する声が上がっているという。 
 ロシア軍用機は、シリアの地中海沿岸都市ラタキアにある空港に着陸。ロシアはまた、同空港に数百人が住むのに十分な簡易住宅ユニットを設置したという。米当局はこれに先立ち、ロシアが孤立無援のシリアのバッシャール・アサド大統領への軍事支援を強化し、軍の先遣隊を同国に派遣した可能性があるとの情報に懸念を表明していた。 
 同紙によると、ロシア側はこれを否定し、物資輸送は全てアサド大統領との長年にわたる関係に即したものだと強調している。 
 ロシアの上院議員で、ロシア連邦安全保障会議連盟理事会次長のニコライ・フレデリック氏は9日、「ロシア軍はシリア紛争に積極的に参加していなかった。ロシア軍の海外派遣は、連邦院の決定でのみ展開されるが、我々はこのような決定を行っていない」と述べた。 
 
「米シリア難民の受け入れ枠 1万人に拡大」 
Obama Seeks Admission for 10,000 More Syrian Refugees 
 
 9月10日付のウォールストリートジャーナルは、米国は今後、シリア難民を受け入れるよう体制を整えていく構えだと発表したことを報じた。 
 ホワイトハウスは同日、オバマ大統領が向こう1年間に少なくとも1万人のシリア難民の受け入れを指示したことを明らかにした。しかし、一部の人権運動家たちからは、「1万人の増加では不十分」との批判の声も出ているという。 
 同紙によると、2011年にシリア内戦が始まって以来、米国が受け入れた難民は1600人。米国の同盟国であるドイツは80万人、イギリスは2万人、オーストラリアは現在受け入れている難民に加え、さらに1万2千人の難民を受け入れる準備があると発表しているという。 
 ホワイトハウスの報道官は、米国が約40億ドルに上る難民向け支援も行ったことについて言及し、今回の受け入れ拡大について「相当な受け入れ拡大」だとの見解を示している。同時に「米国と国民の安全が最も重要だ」と指摘。「難民申請の処理には、当局のテロリスト情報との照合などで1年程度はかかる」と理解を求めた。 
 
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