2015年12月09日09時59分掲載  無料記事
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地域

パネットーネ イタリアのクリスマスの焼き菓子

  クリスマスの祝いと言えば12月24日と25日・・・これしか日本では一般的には知られていませんが、イタリアではクリスマスのおよそ4週間前からクリスマスまで、イエス・キリストの生誕を待つ期間として待降節という時期が設けられています。このとき、家庭で焼かれていたお菓子がパネットーネだそうです。(イタリア語の場合、複数形になるとパネットーニになります) 
 
  しかし、パネットーネを作るにはパネットーネ酵母という特殊な酵母(イースト菌)を伝統的に必要としています。仔牛の腸から取られた特殊なパネットーネ酵母を使うのは北イタリアの伝統製法だそうですが、家庭で作るには手間がかかりすぎて、近年はもうマンマが家庭で焼く習慣が廃れたとも言われています。パネットーネ酵母の良さはこれを使うと独特の風味が生まれることや、保存がきくことなどが挙げられるようです。 
 
  このパネットーネを自宅で、手作りで焼いてみたのがこの写真です。作ったのは以前、家庭菜園を披露してくれたジェノバ近郊、スポトルノ在住の詩人、エリ・マルチニ(Ely Martini)さんです。スポトルノは地中海に望み、フランスに近い風光明媚な観光地としても知られています。マルチ二さんも、このジェノバで代々受け継がれてきた製法に沿って、パネットーネ酵母を少し使ってみたそうです。 
 
  パネットーネにはレーズンやオレンジピールなどのドライフルーツを入れるのも習慣だそうです。マルチ二さんの場合は’Uva passa, pinoli, frutta candita scorza di limone grattuggiata’と説明に記していますので訳せばレーズン、松の実、レモンの皮をスりおろして砂糖で煮て固めたものなどを使用したそうです。 
 
  写真のこのパネットーネはジェノバ風。ミラノやその他、各地でさまざまなバリエーションがあるようです。 
 
 
■イタリアの庭のトマト 取れすぎたのでトマトソースをつくるアン・ヌドさん salsa di pomodoro 
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