2015年12月14日09時34分掲載  無料記事
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欧州

フランス地方選 決選投票 国民戦線、大敗か 投票率の増加が勝敗の鍵を握った模様 2002年大統領選の再来

  昨日、12月13日(日曜)、フランスで行われた地方議員選挙の2回目の決選投票で1回目の投票では大勝した国民戦線が今度は大敗を喫した模様。1地域圏も取れない可能性もあると、報じられている。全13地域圏のうち、躍進したのは右派の共和党(旧・国民運動連合)で7地域圏を確保、社会党も5地域圏を確保して面目を保った形になりそうだ。ただ1つ、コルシカ島だけは、コルシカ島の地域政党が勝った模様。 
 
  国民戦線が大敗する兆候は昨日の現地時間17時ころに報じられた投票率の急増にあった。1回目の12月6日の投票では同じ時間に43%ほどだった投票率が50%を超えていた。この投票率の急増は国民戦線の躍進に危機感を持ったフランス人が浮動票の人々に投票を呼びかけたことが奏功したものである可能性がある。 
 
  パリジャン紙は3つの政党(とその連合)の得票率を示した。共和党連合が39.7%、社会党連合が31.9%、国民戦線が28.4%。 
 
  2回の投票が基本になっているフランスの選挙で、国民戦線が1回目で高い支持を得ても2回目で落選する、というパターンは以前からよくあるものだった。記憶に残るのが2002年5月に行われたフランス大統領選、シラク対ルペン(父親のジャン=マリ氏)の決選投票だ。1回目の投票で勝ち抜いてきたルペン氏だったが、極右の国民戦線が大統領になるのを阻止するために多数の国民が連帯した結果、シラク候補の圧勝となった。 
 
  2011年に二代目の党首に就任した娘のマリーヌ・ルペン党首は2002年の屈辱を乗り越えるべく、国民戦線のソフト化をはかり、二回目で勝つための戦略をとってきたが、今回の選挙をもってしても、2回目の壁が大きく立ちふさがってしまった。とはいえ、国民戦線の得票数自体は過去最大となったと報じられている。 
 
 
■ルペン国民戦線党首の敗北の会見 (フランス24) 
Discours de Marine Le Pen (Front National) après le 2e tour des Régionales 2015 
https://www.youtube.com/watch?v=Dv7Us46gL8c 
 
■サルコジ共和党党首の勝利の会見 (フランス24) 
https://www.youtube.com/watch?v=oDOkbSRETwU 
 
■バルス首相(社会党)の会見 (フランス24) 
https://www.youtube.com/watch?v=PebAb4nxZUo 


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