2016年01月06日20時25分掲載  無料記事
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沖縄/日米安保

元首相補佐官岡本行夫氏 米国で「辺野古の海に生物はいない」と発言していた

 元外務省OBで首相補佐官を務めたこともある外交評論家の岡本行夫氏が2010年、米国で開かれたシンポジウムで「辺野古(の海)は砂地だけ。サンゴ礁も、生物もいない」と発言していたことが分かった。このシンポは2010年1月に「日米安全保障セミナー」と題してワシントンのホテルで開かれた。主催は在米日本大使館と日米のシンクタンク。つまり日本政府が関与した公的な催しといってよい。1月4日の沖縄タイムスが伝えた。」(大野和興) 
 
 辺野古の海は生物多様性の宝庫と言われており、豊かなサンゴ礁に恵まれ、ジュゴンが生息する。しかし岡本氏はジュゴンについても「沖縄本島全体を周回し、たまに辺野古に立ち寄る」と事実と異なる報告をした。 
 
 シンポの模様はyoutubeで見ることができる。この動画を見つけたのは、沖縄タイムスによると島ぐるみ会議名護のメンバー、森山憲一さん(73)。森山さんは「日本政府は意図的に事実をゆがめ、操作して米国に伝えている」と話した。会場から「なぜ自然豊かな辺野古が移設先に選ばれたのか」との質問を受け、岡本氏は環境への負荷は少なく「合理的な選択だった」と主張した様子も動画で見ることができる。 
 
 このシンポには現職とOBの両政府当局者ら約280人が参加した。登壇者にはペリー元国防長官、アーミテージ元国務副長官もいた。岡本氏は外務省退官後は橋本内閣で沖縄担当、小泉内閣でイラク問題担当の総理補佐官を務めるなど、自民党政権に大きな影響力を持っている人物。岡本氏はテレビなどで常々、沖縄の言い分をきちんと聞かなければならないなどと、沖縄の理解者に理解を示す趣旨の発言を繰り返している。 


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