2016年01月22日16時12分掲載  無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=201601221612505

中東

性的暴力さらされる難民女性を守れ アムネスティが調査し、警告

 国際人権団体アムネスティがヨーロッパにたどり着いたシリアやイラクの難民の女性40人から聞き取り調査を行ったところ、すべての女性が移動中に、暴力の恐怖や身の危険を覚えたと話す。多くが通過してきた国々で、人身売買業者、保安要員、他の難民などから暴行、金銭の搾取、痴漢行為、性行為のいずれかを受けたことがあるということが分かった。アムネスティは、女性が安全・安心の生活ができるよう各国が安全で合法的な経路を提供することが必要と提言している。アムネスティ国際ニュースが報じた。(大野和興) 
 
アムネスティが聞き取りを実施したのは、昨年12月、トルコからギリシャなどを経由してバルカン半島を抜け、ドイツとノルウェーにたどり着いた女性や少女40人。難民女性や少女は、目指す国にたどり着くまでに、さまざまな暴力や性的嫌がらせ、搾取を受けている。各国政府や援助機関は、彼女たちに女性として最低限必要な施設や身辺の保護すら提供できていないことが明らかになった。 
 
すべての女性が移動中に、暴力の恐怖や身の危険を覚えたと話す。多くが通過してきた国々で、人身売買業者、保安要員、他の難民などから暴行、金銭の搾取、痴漢行為、性行為のいずれかを受けたことがあるという。 
 
1人で移動する女性や少女、連れが子どもだけの女性たちにとって、特にハンガリー、クロアチア、ギリシャのキャンプはひどかった。数百人の難民男性との雑魚寝を強いられた。耐えられずに指定場所を出て、海岸で眠ったという女性たちもいた。 
 
また、トイレや浴室は男女共用だった。ドイツの収容施設で、女性たちはトイレに行くときは男たちの視線を感じた、とある女性は話した。安心できない場所では、トイレに行かずにすむよう飲食を控えたという女性もいた。 
 
アムネスティはこうした実態をもとに次のようにの述べている。 
 
同じような人道問題が、他にもまん延しているのであれば、単身の女性や男性が一緒でない家族など、虐待を受けやすい弱者を保護するために、即刻実際的な対策がとられて当然だろう。最低限、男女別々の、明るい照明のあるトイレと、安心して寝られる別々の場所を設置するべきだ。 
 
難民を支援する国や団体は、支援策を整備し始めたが、難民の保護や支援に有効なものでなければならない。女性、特に暴力などの被害者には、女性が安全・安心の生活ができるよう、特別な対応を取る必要がある。 
 
人身売買業者による人権侵害や搾取を排除する最良の方法は、各国が安全で合法的な経路を提供することにつきる。難民は、紛争や弾圧から身を守るために国を出ざるをえなかったのだ。これらの人びとに、さらなる侵害や不安、身の危険にさらすことだけは避けなければならない。 
 
アムネスティ国際ニュース 


Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
  • 日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
  • 印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。