2016年01月25日00時04分掲載  無料記事
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国際

ND米紙ウィークリーニュース第66号(January 15, 2016) 〜ND(新外交イニシアティブ)注目の外交・安全保障関連ニュース

●目次● 
 
「慰安婦問題 日韓が合意」LAT 12/28 
Gesture of healing’: South Korea and Japan reconcile on World War II sex slaves 
 
「イランが米国を批判 制裁導入の可能性を受け」NYT 1/1 
Iran Denounces U.S. Sanctions Over Missiles, Saying It Will Build More 
 
「南シナ海の人工島 中国が民間機を着陸」WT 1/5 
China lands plane on South China Sea man-made island in major escalation 
 
「ドイツでの襲撃事件 ケルン警察が捜査中」WSJ 1/7 
German Authorities Investigating Three in Connection With New Year’s Eve Assaults 
 
「論説:北朝鮮の核脅威を止める」NYT 1/8 
Stopping North Korea's Nuclear Threat 
 
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「慰安婦問題 日韓が合意」 LAT 12/28 
Gesture of healing’: South Korea and Japan reconcile on World War II sex slaves 
 
 12月28日付のLAタイムズ紙は、“慰安婦”として知られている、戦時中に日本軍の売春宿で働かされていた韓国人女性の問題に関して、日韓両国が同日合意に達したと報じた。 
 両国外相はソウルでの会談後、日本は、被害者の高齢慰安婦のための基金10億円(830万ドル)を貢献し、その見返りに韓国は、この問題に関し日本を批判することを慎むこと、またソウル市街地の日本大使館前の慰安婦像の撤去に向けた働きかけを行うと述べた。 
 韓国の尹炳世外相は、日本側が表明した措置を実施すれば、今回の合意は「最終的かつ不可逆的」なものになると語ったという。 
 米国は長きにわたり、好戦的な中国や、情勢が不安定な北朝鮮に対応するため、同盟国である日韓が関係を改善することを望んでおり、スーザン・ライス大統領補佐官(国家安全保障問題担当)は、米国が合意の履行と両国の関係改善を強く後押しすることを明確にしたと同紙は伝えている。 
 一方、同紙は、安倍晋三首相が、慰安婦問題に日本軍が関与していたことを認めた歴代総理の試みを強く批判しており、2007年には「日本軍による強制連行の証拠はない」と発言していたことも紹介し、この発言が「朝鮮人女性の多くは親に身を売られた人々、または、売春婦として働くことを自ら決意した人々である」と主張する日本のナショナリストの間で普及した意見を代表するものであったとも評している。このことから、安倍首相を「歴史修正主義」と批判していた評論家らにとって、今回の合意は予期せぬ成果となったとも同紙は見ている。 
 
「南シナ海の人工島 中国が民間機を着陸」WT 1/5 
China lands plane on South China Sea man-made island in major escalation 
 
 1月5日付のワシントンタイムズ紙は、中国が南シナ海の南沙(スプラトリー)諸島の人工島に建設した滑走路に民間機を着陸させたことを報じた。人工島の3000メートル級滑走路は長距離爆撃機等の使用が可能で、中国の南シナ海での軍事力を高めると同紙は見ている。 
 米国やアジアの軍事アナリストは、「中国はやがてこの滑走路を軍施設として利用し、船舶や航空機の通行を警告するようになり、自由な通商を妨げるだろう」と懸念を示しているという。 
 シンガポールの南シナ海専門家は「稼働が始まれば、中国は南シナ海上空に『防空識別圏(ADIZ)』あるいは『事実上のADIZ』を設定する可能性もあり、軍機、民間機への警告は日常的になる。緊張が高まるだろう」と指摘しているという。 
 ロイター等によるとベトナムやフィリピンが懸念を表明しており、ADIZの設定は、米国と、アジアで影響力拡大を狙う中国の対立を招くとしている。 
 
「論説:北朝鮮の核脅威を止める」NYT 1/8 
Stopping North Korea's Nuclear Threat 
 
 1月8日付のNYタイムズ紙は、元NSCアジア部長で現在ジョージタウン大学教授のヴィクター・チャ氏の論説を掲載した。 
 チャ氏は論説の中で、6日に行われた北朝鮮による核実験について、アメリカの先制攻撃を誘発する可能性があるとして、北朝鮮は核実験のリスクと限界を認識すべきだと主張。アメリカはこのことを今回の核実験を通じて北朝鮮に理解させなければならないと述べているチャ氏は、今回の核実験への対応策として、アメリカによる制裁の強化と北朝鮮労働者の受け入れ停止を挙げた。 
 さらにチャ氏は、北朝鮮が交渉のテーブルに戻るまで、新規の経済援助を停止させられるのは中国だとして、制裁を進める上での中国の重要性を主張。アメリカ政府に中国との協力を求めた。 
 
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※「ND米紙ウィークリーニュース」は、米国各紙の中から政治・外交・日本関係の記事(月〜金曜日)を抽出し、翻訳・要約してお送りするものです。日本メディアでは報じられない貴重な報道記事などを選択して配信致しますので、是非ご覧ください。 
 
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