2016年02月20日00時58分掲載  無料記事
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国際

ND米紙ウィークリーニュース第70号(February 16, 2016) 〜ND(新外交イニシアティブ)注目の外交・安全保障関連ニュース

●目次● 
 
「フィリピンにおける日本軍『慰安婦』の行方」1/30 NYT 
In Philippines, World War II’s Lesser - Known Sex Slaves Speak Out 
 
「アイオワの選択 米大統領選本格化へ」NYT 2/1 
Making Choice in Iowa 
 
「北朝鮮 地球観測衛星の打ち上げ計画を通告」WP 2/2 
North Korea announces plan to launch rocket carrying observation satellite 
 
「ソマリア出発の飛行機で爆発 爆弾が原因か」2/3 WSJ 
Probe Weighs Possibility of Bomb on Somali Jet 
 
「シリア和平協議 一時中断」2/4 NYT 
Syria Talks Are Suspended 
 
「シャープ 外資に救済求める」2/4 NYT 
In Industry Shift, Sharp Looks Outside Japan for a Buyer 
 
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「フィリピンにおける日本軍『慰安婦』の行方」1/30 NYT 
In Philippines, World War II’s Lesser - Known Sex Slaves Speak Out 
 
 1月30日付のNYタイムズ紙は、フィリピンにおける日本軍の「慰安婦問題」について報じた。 
 同紙は、日本占領時の1943年、16歳のときに日本兵に誘拐されたと語る89歳のフィリピン人女性ヒラリア・ブスタマンテ氏の過去の経験を紹介した。ブスタマンテ氏は、日本軍の駐屯地で6人以上の兵士に15ヶ月間性的暴行を受け続けたと言う。 
 日韓における慰安婦問題については世界的にも知られており、昨年12月には、日本政府が元慰安婦女性に正式に謝罪し、約830万ドルを支払った。しかし、同じ境遇を強いられたフィリピン人女性や、その他の国の女性に対して、日本政府は謝罪を行ってはいないと同紙は指摘。 
 フィリピンの慰安婦支援を行うNPO団体「フィリピン女性連盟(LFW)」のレチルダ・エクストレマデュラ常任理事は、フィリピンにおける日本軍慰安婦問題が、他国に比べ注目を集めない背景の一つに「フィリピン政府による擁護活動が乏しいこと」が挙げられると語っているという。また、「アキノ大統領は日本政府に卑屈に追従しているため、慰安婦問題を提起しない」と訴えている。 
 一方、フィリピン大学のリカルド・ホセ教授は、日本とフィリピンが経済的に重要なパートナーであることに加え、軍事的に拡大する中国との間で互いに領土問題を抱えていることによって、日比間で慰安婦問題が埋没する恐れがあると見ている。 
 
「シリア和平協議 一時中断」2/4 NYT 
Syria Talks Are Suspended 
 
 2月4日付のNYタイムズ紙は、国連が3日、シリア内戦の終結を目指す和平協議を一時中断すると発表したことを報じた。 
 同紙は、和平協議の仲介役を務めるスタファン・デミストゥラ国連特使が声明で、「反体制派勢力の町への食糧や医薬品などの支援を遮断しなかったことにより、シリアにおける人道危機を緩和できなかった」とシリア政府を非難していると伝えた。 
 反政府側はシリア政府側の包囲網解除、空爆停止、捕虜開放などを要求。また反政府側の高等交渉委員会は、ロシアによるアレッポ攻撃やシリア政府軍のクラスター弾による市民の犠牲を非難したという。 
 一方のシリア政府側は、協議中断は政府側の責任であると主張。デミストゥラ国連特使は、シリア内戦に干渉し、アサド政府と反体制派との武力衝突を煽っている関係諸国に対し行動を要請しているという。 
 中断されている協議は遅くとも今月25日までには再開される見通しであると同紙は伝えている。 
 
「シャープ 外資に救済求める」2/4 NYT 
In Industry Shift, Sharp Looks Outside Japan for a Buyer 
 
 2月5日付のNYタイムズ紙は、100年以上の歴史を持つシャープが4日、台湾の大手電子機器メーカー、「鴻海(ホンハイ)精密工業」の買収提案に対して優先的に交渉を進めていく意向を表明したことを報じた。 
 シャープ側は、鴻海精密工業に独占交渉権を与えているという報道に関しては否定しながらも、「鴻海精密工業はシャープにとって好条件を提示している」と話しているという。 
 同紙によると、鴻海精密工業は、政府主導の産業革新機構(INCJ)の支援額の2倍の額を提示している。これから交渉は大詰めをむかえ、一か月ほどで最終的な決断が下されるという。 
 これまで、外資の日本企業の売買交渉は、企業の経営陣、政府双方からも敬遠されてきたが、今回のシャープの決定は、より開かれた市場を求められる日本企業全体への試練になると同紙は見ている。 
 
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※「ND米紙ウィークリーニュース」は、米国各紙の中から政治・外交・日本関係の記事(月〜金曜日)を抽出し、翻訳・要約してお送りするものです。日本メディアでは報じられない貴重な報道記事などを選択して配信致しますので、是非ご覧ください。 
 
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