2016年03月04日13時11分掲載  無料記事
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ドミニク・コルビ著「フランス料理13章〜日本で究めるモダン・クラシック」 Dominique Corby 'Les 13 chapitres - La cuisine française au japon'

1965年にパリで生まれ、「ラ・トゥールダルジャン」などの著名な店を経て、来日したフランス料理シェフ、ドミニク・コルビ氏が書き下ろしたフランス料理のレシピの本が「フランス料理13章〜日本で究めるモダン・クラシック」(柴田書店)です。 
 
  フランス料理の本は多数出版されており、またフランス語を解説したフランス料理関連本も多数出ていますが、この本はレシピが日仏対訳になっているところがその他の多くの本との大きな違いです。フランス料理のキーワードを徒然に料理のうんちくを語った本も悪くはありませんが、本書は写真もあり、極めて実践的に作られています。実践的というのは材料も作り方もほとんど全部日仏対訳になっているので、キーワードだけでなく、一語一語がどう組み合わされてフランス語の文章となるのか、料理とフランス語の双方がほぼすべてのレシピにわたって組み立てとして明示されていることです。これはその分、手をかけて本を作ったことがうかがえます。外国に行こうと思っている料理家にとってはこれをベースに会話することができるでしょう。また日本から料理の情報を発信する場合にも応用ができると思います。さらには料理家に限らず、フランス語の学習にも活用できるはずです。 
 
  「本書を通して私が表現しようとしているのは、フランスの毎日の食卓にある料理と、ガストロノミーレストランにおける料理です」(ドミニク・コルビ「はじめに」) 
 
  序文にこうあるように、本書にはフォアグラや伊勢海老、トリュフなどを使った高級料理も出ていますが、普通の田舎風オムレツとか、ジャガイモとソーセージのサラダ、あるいはトマトとわさびと万能ねぎの一種を使った旬のサラダなど、普通の食材を美味しく食べるためのレシピもたくさん出ています。射程を非常に長くとっているのです。そのため、長く脇においておける本でもあると思います。 


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