2016年03月05日11時14分掲載  無料記事
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東日本大震災

フクシマ原発労働者相談センターが総会を開催(その2)

<今後の活動方針> 
 
 続いて相談センターは、福島第一原発の廃炉作業状況、福島県内の除染作業で発生した廃棄物の中間貯蔵施設や指定廃棄物最終処分場の建設問題、避難区域の指定解除に伴う避難住民の帰還事業における課題など、福島県の現状を説明した後、今後の活動方針として次の8項目を提示した。 
 
 〜蠱模⇒躱貊蠅箸靴董崋厂嬰泙い錣総支部」「全国一般いわき自由労働組合」の2カ所を設置する。 
◆|賃里泙燭聾朕佑鮃柔主体の中心とし、協賛する団体や個人の参加を積極的に呼びかけていく。 
 当面は、労働条件、健康、賠償といった問題を主たる相談項目とし、相談内容の検討と対策を行いつつ、相談者との信頼関係を醸成していく。 
ぁ.曄璽爛據璽験設、立て看板設置、チラシ配布といった活動に取り組む。 
ァ仝業・除染労働における実態調査と学習を行い、諸課題の解決や政策提言を行う。 
Α々颪篥貪鼎箸慮鮠帖地方自治体対策に当たり、諸問題の解決を図っていく。 
А|Ω業運動を進める他団体、市民団体、個人と積極的に連携し、原発事故の完全収束と原発全基廃炉、再稼働阻止の運動を強化する。 
─。慣遒らの電力自由化に対して、原発に頼らない新電力との契約運動を進めていく。 
 
<総会参加者からの様々な発言> 
 
 相談センター事務局からの経過報告や今後の活動方針を受けて、主催者と参加者の間でこれまでの取組に対する意見や今後の活動における提言などが交わされた。 
「相談センターが、組合として原発・除染労働者を結集させていくという取組はどうだったのでしょうか。労働相談を受けて解決のために取り組んで、その結果が得られたとしても、それが原発・除染労働者にとって抜本的な労働条件の改善や安全な職場の確立に結び付く訳ではないと思います。組合加入によってブラックリストに載ってしまうという危険性やその後の雇用に影響が出かねないという懸念もあります。しかし、労働者は労働組合に結集しないと本当に守れないという方向性を明確にし、組織化していくということが重要ではないでしょうか。相談センターが単に労働相談を受けるための集合体に止まらず、それを発展させていくという意識や方針を持つべきだと思います」 
 
「原発・除染労働者の組合への加入は、なかなか難しい状況となっています。組合加入の働き掛けは全国一般いわき自由労働組合とともに取り組んでいるものの、一旦組合に加入して相談内容の交渉に当たっても、問題が解決してしまうと関係が切れてしまうといった状況です。特に、原発労働者は全国の原発施設を転々としているため、転居とともに組合との関係が途切れがちになってしまいます。そのため、原発労働問題に対応した組合を全国に結成し、『組合員として交渉に当たれば問題解決に至るんだ』という認識を労働者側に持ってもらうことが必要だと思います。その他の問題点としては、現役の原発労働者のほとんどが労働相談に来ないということです。現役労働者が相談に訪れ、交渉によって問題が解決したとしても、結果的にその現役労働者は勤務先を解雇されることにつながりかねないため、この点をどのようにクリアしていくかといったところが課題です」 
 
「我々が原発・除染労働者とつながりを持っていくことを考えた場合、労働者側から『こいつらは俺たちの仲間だ』と思ってもらえるかどうかです。労働者の多くは、労働組合という存在がどういうものなのかを知らない場合が多い訳ですから、とにかく仲間だと思われる取り組みをどのようにしていくかがポイントになります。そういった労働者目線に立った取り組みとともに、全国各地の様々な団体と連携していくことが必要です」 
 
「賃金不払い、危険手当不払い、サービス残業が横行していますが、これは個別に解決しても“もぐら叩き”状態ですので、法的規制が必要な状況と考えており、公契約法に準じた法律によって末端労働者の賃金確保をしていかなければならないと思います。この点は国会議員にも働きかけて、議員立法などで法整備を求めていくといった運動を重点的に実施していきたいと考えています」 
 
「社会保険の加入については、元請け企業による下請け企業へのチェックリスト提出、“法令遵守のためのチェックリスト”提出の件により、社会保険等加入状況調査や雇用契約書の書面での締結等に対するチェックが強化されていますが、末端の下請け労働者まで浸透しているかという点検はなされていません」 
 
「福島第一原発の廃炉作業の現状がどのような状況なのかについては、福島県や全国の脱原発運動に関わっている人たちを始め、一般の人たちもすごく関心を持っていると思います。その点を福島県の団体である相談センターが発信していく必要があったと思います。全国の全ての原発を再稼動させないということを考えた場合、廃炉作業の現状を発信していくことは重要であり、福島県としての義務ではないかと考えます」 
 
「現状において、相談センターの取り組みはボランティアに頼るところが大きい状況です。今後、継続的な運動をしていくためには、中心となる人の配置や様々な基盤整備が必要になってくると思います。そのための資金をしっかり確保していくことを考えていくべきだと思います」 
 
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 相談センターは、これまでに寄せられた労働相談を踏まえ、今後、東電や国、関係機関に対する要請活動を強化していく方針である。原発・除染労働者の環境改善と健康を守っていく上で、相談センターの果たす役割は大きい。(館山守) 


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