2016年03月12日14時21分掲載  無料記事
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国際

ND米紙ウィークリーニュース第73号(March 8, 2016)

●目次● 
 
「米・リビア空爆 セルビア人人質が巻き添えか」NYT 2/21 
Serbian Hostages Killed in U.S. Airstrikes Against ISIS in Libya 
 
「ミサイル防衛体制の強化 韓国、中国側の不干渉を要求」NYT 2/24 
South Korea Tells China Not to Intervene in Missile-Defense System Talks 
 
「米当局、ソーシャルメディア監視強化の準備を加速」NYT 2/24 
U.S. to Further Scour Social Media Use of Visa and Asylum Seekers 
 
「中国 レーダー施設を建設か 南沙諸島の人工島で」NYT 2/24 
Possible Radar Suggests Beijing Wants ‘Effective Control’ in South China Sea 
 
「オバマ大統領、シリア停戦の持続を疑問視」WT 2/25 
Obama doubtful that Syria cease-fire will hold 
 
「米中 北朝鮮制裁強化に向けた協議で合意」NYT 2/26 
U.S. and China Agree on Proposal for Tougher North Korea Sanctions 
 
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「ミサイル防衛体制の強化 韓国、中国側の不干渉を要求」NYT 2/24 
South Korea Tells China Not to Intervene in Missile-Defense System Talks 
 
 2月24日付のNYタイムズ紙は、韓国がアメリカからのミサイル防衛システム導入を検討していることをめぐり、韓国・中国間で緊張が高まっていると報じた。 
 韓国が導入を検討しているのは、最新鋭の地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」。韓国政府の報道官は、THAAD導入の検討について「北朝鮮による核とミサイルの脅威に対する我が国の防衛政策の一環である」として、中国側の理解を求めた。 
 また、韓国外交部(外務省)の高官は「中国が我々のTHAAD導入を問題視するのであれば、中国は問題の根源を断つべきではないか」との見解を示した。 
 こうした韓国政府の発言を踏まえ、アメリカと韓国は、中国が北朝鮮の核と弾道ミサイルの開発をやめさせることに失敗したと考えているようだと同紙は伝えている。 
 中国は韓国のTHAAD導入について、「THAADが韓国に配備された場合、米軍のレーダー網が中国の深部まで食い込むことになる。そうなれば、中国の安全保障が脅かされる恐れがある」と述べ、「中韓関係の破壊を招く可能性がある」と韓国を牽制したという。 
 同紙によると、米国は数年前から韓国でのTHAAD配備を検討していたが、韓国は経済協力パートナーの中国に配慮し、これまで態度を明確にしてこなかった。しかし、先月行われた北朝鮮の核実験、その後の長距離弾道ミサイル試験発射を契機に変化したと指摘。対北朝鮮経済制裁の発動に対し中国が断固として反対した後、韓国はTHAAD導入について米国と協議中であると発表した。 
 同紙は、米韓がTHAAD配備の検討に入っていることを受けて、過去に中露が抱いた「米国のミサイル迎撃システムが米アラスカ州から東南アジアを包囲する」という懸念を再燃させたのではないかと見ている。 
 
「米当局、ソーシャルメディア監視強化の準備を加速」NYT 2/24 
U.S. to Further Scour Social Media Use of Visa and Asylum Seekers 
 
 2月24日付のNYタイムズ紙は、米カリフォルニア州での銃乱射事件以来、米当局が入国者のソーシャルメディアアカウントの監視を強化する準備を加速させていると報じた。 
 テロと断定された同事件について検察官は、容疑者の夫妻がネット上でジハードの実行について語っていたと話しているという。 
国土安全保障省は、「テロ対策の一環として、こうしたメールのやり取りの傍受も今後必要」と述べる。 
 一方専門家は、日々出回る膨大な量のメッセージの一つ一つに当たることや、テロの実行を示唆する内容を断定することは困難だと語っているという。 
 
「中国 レーダー施設を建設か 南沙諸島の人工島で」NYT 2/24 
Possible Radar Suggests Beijing Wants ‘Effective Control’ in South China Sea 
 
 2月24日付のNYタイムズ紙は、米シンクタンク「戦略国際問題研究所(CSIS)」が22日、中国が南シナ海で岩礁を埋め立てて造成した人工島に、レーダー施設を建設しているとする分析結果を発表したと報じた。 
 CSISによると、人工島のうち最南端のクアテロン礁の衛星写真を今月12日に撮影した結果、高周波レーダーの他、灯台、地下壕、ヘリパッド、通信施設等と見られる施設が確認されたという。CSISは「南沙(スプラトリー)諸島に建設されている新たなレーダー施設は周辺地域の戦略状況を一変させ、中国の監視能力を著しく強化するものである」と述べている。 
 同紙によると、中国はすでに西沙(パラセル)諸島にあるレーダー施設で南シナ海の北半分を監視できる能力を持ち、南沙諸島にも同じような施設ができれば南シナ海全域を監視することが可能で、軍事的な環境を大きく変えるおそれがあると同報告書は発表しているという。 
 
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