2016年03月27日14時10分掲載  無料記事
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国際

【西サハラ最新情報】「モロッコの春」到来か? 平田伊都子

「モロッコだけが北アフリカで<アラブの春>の洗礼を受けなかった。モロッコは安全だ」という振れ込みで、モロッコ国王は日本企業に投資を呼びかけています。 本当かな? 
 モロッコが、<アラブの春>実は<アラブ世界の崩壊>を企んだ欧米に襲われなかったのは、モロッコ国王が欧米の手先になって<崩壊>を援護射撃したからだと言われています。 そのモロッコ国王が藩国連事務総長に言いがかりをつけて、今や、欧米や国連に逆らっているのです。 国連事務総長も国連安保理も欧米も、国連住民投票でモロッコ占領地・西サハラの国際法的地位を決めようとしているのに、「(西)サハラはモロッコ領土だと認めろ」と、モロッコは国際社会を脅し、住民投票も国連の和平交渉も拒絶しています。 
モロッコ国王殿下、我儘もいい加減にしないと、本格的な春の訪れと共に<モロッコの春>がやってきますよ? 
 
(1) モロッコ産いい男: 
2016年3月24日夕刻(日本時間3月25日早朝)、赤いベルギーチーム・ユニフォームに痩身を包み流行のヘアースタイルで決めた若者が、100人以上のプレスから厳しい尋問を浴びた。「人は家族を選べない」と、震え声で弁明する美形のスポーツマンは、3月22日にベルギー空港で自爆テロで死亡し、2015年11月のパリ・テロも含め爆弾製造者だった<神風テロリスト>ナジム・ラアシュラウイ(24)の弟ムラドだ(20)。ムラドは2015年の韓国テコンドー世界選手権で、54キロ級ベルギー代表として参加し銀メダルを取り、リオ・オリンピックの代表にも選ばれ、2020年の東京オリンピックでは金メダルを目指している。モロッコで生まれた兄弟は、家族と共にベルギーに移住して、ベルギー国籍を取っている。<神風テロリスト>の兄からは、2013年2月にシリアに行くという電話が一度あったきりで、以来、まったく家族とは音信不通になっていたと、ベルギー期待のメダリストは語った。 
 
(2)モロッコ産 神風: 
 2016年3月22日8時(日本時間3月22日16時)、<神風テロリスト>ナジム・ラアシュラウィはベルギー首都ブリュッセルの空港で自爆テロをやった。ヨーロッパのプレスは自爆テロを日本の神風特攻隊に擬えて、<神風>とあだ名している。 
 1991年5月18日、モロッコで生まれたナジムはベルギーで育ち、ブリュッセル北部ショウバークのセント・ヘルメット・ファミリーというカトリック学校で9年間学び、2009年に卒業している。ザ・デイリーメールが、「学校長のインタヴューによると、ナジムは学校をさぼらない優等生だった」と、紹介している。この学校のモットーは、「我々はお互いに愛している、、言葉や話だけではなく、行動を伴って心から愛しあう、、(聖書ヨハネ3:14-18)」だそうだ。ベルギーの地元紙は、ナジムは電子工学技術を学び、爆弾実験を重ね、パリ・テロとブリュッセル・テロの爆弾実戦をやり、自爆したと伝えている。 
 
(3)モロッコ系のバクラウィ兄弟はブリュッセルの原子力センターを狙った!: 
 ベルギーの地元紙によると、ブリュッセル・テロで自爆死したイブラヒム・バクラウィ(29)とハリド・バクラウィ(27)の兄弟は、2015年末に原子力エネルギー研究センターの幹部を誘拐し放射性物質を強奪する計画を立てていたという。放射性爆弾を製造するつもりだったそうだ。3月22日にブリュッセル・テロが勃発した時、ベルギー原子力エネルギー研究センターは即座に大部分の従業員を退避させた。もしテロリストが原子力センターから放射性物質を強奪し、放射性爆弾を爆発させたら??ぞっとする話だ。 
 
(4)モロッコ国王の電話: 
 CORCAS(王立サハラ問題諮問評議会)は、「2016年3月22日、モロッコ国王殿下はケリー米国務長官に電話をされて、アメリカのモロッコ・サハラに関する見解は、2013年11月にワシントンでオバマと国王が会談の際に発言したものと同じだということを、国王自ら確認された。2016年3月24日、モロッコ外務大臣と内務大臣は、政府関係者や政党代表者や組合代表などを集めて、パン・ギムン国連事務総長の<モロッコ占領>発言に端を発した、国連に対するモロッコ側の対応と制裁に関して説明報告をした」と、発表している。 
 モロッコ国王陛下の命令で、モロッコは73人のMINURSO(国連西サハラ住民投票監視団)国連職員をモロッコ占領地・西サハラから追放し、モロッコ占領地・西サハラのダハラにあるPKO・MINURSO施設を閉鎖した。モロッコの国連を無視する背信行為に、国連安保理は数回の会合を重ね、3回にわたってモロッコに電話で強く抗議した。が、モロッコはモロッコの西サハラ領有権を固辞し、国連の警告に耳を貸そうとしない。 
 
 モロッコ人は私たち日本人よりずっと身体能力に恵まれているし、お利巧だし、顔も姿もお洒落です。 
 モロッコ国王陛下殿、どうか、国連が用意している和平交渉のテーブルにお戻りください。 モロッコの麻薬密輸組織を自らの手で壊滅し、ハシッシ畑を焼却してください。 ヨーロッパIS資金源の一つがハシッシであることは、隠しようもありません。 
 素敵なモロッコの若者たちが麻薬患者にならないよう、テロリストにならないよう、、お手本をお示しください。 
 
 
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之     2016年3月27日 
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子 


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