2016年04月30日17時29分掲載  無料記事
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国際

ND米紙ウィークリーニュース第80号(April 28, 2016)

●目次● 
 
【ケリー米国務長官 広島慰霊碑で歴史的な献花】NYT 4/11 
Kerry Visits Hiroshima Memorial and Underlines U.S.-Japan Alliance 
 
【中国の動向を注視 米比軍事同盟を強化】NYT 4/12 
Eye on China, U.S. and Philippines Ramp Up Military Alliance 
 
【米 南シナ海でのプレゼンス強化 フィリピンと合同警備開始】WP 4/14 
U.S. ramps up military presence in Philippines, starts joint patrols in South China Sea 
 
【対IS空爆 資金・石油を標的に】USA 4/17 
Air campaign shifts to ISIL's cash and oil 
 
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【ケリー米国務長官 広島慰霊碑で歴史的な献花】NYT 4/11 
Kerry Visits Hiroshima Memorial and Underlines U.S.-Japan Alliance 
 4月11日付のNYタイムズ紙は、ケリー米国務長官が同日、広島を訪れ、原爆投下による犠牲者への追悼式に出席したと報じた。米国の現職閣僚としては歴代最高位の公式訪問となったという。この訪問によって、5月に予定されるG7伊勢志摩サミットに合わせ、オバマ大統領が広島を訪問する憶測が高まると同紙はみている。 
 ケリー氏は11日の記者会見で「広島へは誰もが訪問するべきだ」とし、オバマ大統領が日本政府から公式に広島に招待されており、大統領自身も訪問を希望していることに言及した上で「大統領として訪問するかどうかは不明だ」と述べた。同氏はまた、G7外相会議に出席した外相らとともに広島平和記念資料館を参観後、原爆死没者慰霊碑に献花し、一連の経験を「衝撃的で、胸がえぐられる思いだった」と話していたという。 
 なお、日本は米国に原爆投下の謝罪を要求したことはなく、ケリー氏からも謝罪はなかったと同紙は報じている。広島市出身の岸田外務大臣は、ケリー氏を含むG7外相の広島訪問を「歴史的な日」とし、「広島から世界に向け、力強く明確なメッセージを発信したい」と述べたという。 
 
【米比軍事同盟を強化 中国の動向を注視】NYT 4/12 
Eye on China, U.S. and Philippines Ramp Up Military Alliance 
 4月12日付のNYタイムズ紙は、南シナ海における中国の独断的な行動を受け、米とフィリピンが軍事同盟を強化していると伝えた。同紙によると、両国の同盟の強化によって、米軍は今後数十年にわたり、フィリピンでの部隊・航空機・艦船の配備をさらに進めることができるという。 
 同紙はまた、米軍がこのように南シナ海でのプレゼンスを再び高めることで、この地域におけるパワーバランスが崩れるのではないかとの意見も紹介している。フィリピンについては、同盟を強化することでフィリピン軍を近代化することができ、自然災害やフィリピン南部でのテロへの対応も強化できるという利点もあると同紙は伝えている。 
 
【米 南シナ海でのプレゼンス強化 フィリピンと合同警備開始】WP 4/14 
U.S. ramps up military presence in Philippines, starts joint patrols in South China Sea 
 4月14日付のワシントンポスト紙は、米国が同日、南シナ海の係争水域でフィリピンとの合同パトロールを開始し、軍事的プレゼンスを強化したと発表したことを報じた。 
 フィリピンを訪問中のカーター米国防長官は「第一回、第二回のパトロールはそれぞれ3月、4月に実施しており、今後も定期的に行っていくつもりだ」と述べたという。 
 また、ロイター通信によると、同氏は「アジア太平洋一帯の国々は中国の埋立てや南シナ海の軍事化に懸念を示している」とし、15日に南シナ海で展開中の米国の航空母艦ジョン・C・ステニスを視察することを表明したという。 
 同紙は、中国が現在、係争水域のサンゴ礁で人工島や滑走路の開発を進めていることを指摘し、今回の米軍の動きが米中の緊張を高めるとの見方を示した。 
 なお中国は、米国の行動について直ちに「冷戦思考だ」と非難したという。 
 
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