2016年05月20日00時16分掲載  無料記事
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中東

イスラエルは核の内部告発者の迫害をやめよ

1986年、核施設の技師をしていたバヌヌさんは、サンデー・タイムズ紙に核兵器工場の詳細情報を提供したために、18年の実刑を受け、服役した。2004年の釈放後もずっと、事前の許可なくジャーナリストら外国人との通信・会話することを禁じられ、インターネットでのチャット、出国、外国大使館への出入りも許されず、住所変更にも警察への届出が必要だった。(アムネスティ国際ニュース) 
 
昨年9月、バヌヌさんは放送局チャンネル2の取材に応じた罰として、自宅軟禁1週間とネットの使用禁止、ジャーナリストとの通信・会話の禁止などの措置を受けた。報道によると、チャンネル2は「軍はこの取材の放送を事前に承認していた。ところが、警察は未放送部分も含めたすべての動画の提供を求めた」と説明した。 
 
今年5月8日には、制限措置に違反したとして、エルサレム下級裁判所に起訴された。その違反とは、3年前に米国人2名と会ったことや昨年のテレビ取材に応じたことなどを指しているものと思われた。 
 
一方、バヌヌさんの弁護士は、海外渡航禁止措置が延長され、その異議申し立てをしたことへの対抗措置だろう、と話した。この起訴で有罪となれば、単に表現の自由を平和的に行使しただけでの不当な投獄であり、アムネスティ・インターナショナルは即時無条件の釈放を要求していく。 
 
当局は、国家の安全に脅威であることを理由に、バヌヌさんの自由を制限する必要があるとしているが、漏洩事件から30年の歳月が経っては、なんの意味もない。 
 
バヌヌさんへの制限措置は国際法の下での同国の義務に反している。とりわけ、移動の自由、表現の自由、結社の自由の権利への恣意的な干渉を禁じ、同じ容疑での再処罰から市民を保護する市民的および政治的権利に関する国際規約に違反している。 


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