2016年05月28日18時29分掲載  無料記事
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安倍政権を検証する

G7首脳の伊勢神宮訪問は憲法の政教分離原則に抵触しないのか?

  今年のG7サミットの開催地である伊勢志摩には天皇家の先祖・天照大神を祭るとされる伊勢神宮がある。安倍首相の鶴の一声で数ある候補地の中からこの開催地に決まったのだが、そのため宗教の政治利用であり、政教分離を原則とする憲法に対する違反なのではないかと疑われる。新聞ではほとんど触れられていないが、安倍首相がサミットのリーダーを連れて伊勢神宮を訪問したことを英国のガーディアン紙は政教分離に抵触しているとして批判的に取り上げている。タイトルは’G7 in Japan: concern over world leaders' tour of nationalistic shrine’(日本でのG7:世界のリーダーがナショナリズムの神社に出かけることに対する懸念)というもの。 
 
  その中で安倍首相が神道政治連盟に属し、戦後レジームを否定する政治観と、今回のG7の伊勢神訪問が根っこで結びついていることを述べている。さらにこう述べている。 
 
“Ise Shrine is clearly an important historical and cultural site, so it would usually not be seen as a problematic place to visit,” said Mark Mullins, professor of Japanese studies at the University of Auckland. “But given that this religious site is central to the larger political vision Abe has in common with the Shinto Association for Spiritual Leadership, it will undoubtedly be viewed by critics as a strategy to gain legitimacy for their shared neonationalist agenda.” 
 
  オークランド大学のマーク・マリンズ教授の言を引きながら、安倍首相が自分の政治観をオーソライズするためにG7のリーダーたちを利用したと批判的な人々から見られても仕方あるまい、と。 
 
  安倍首相が宗教である神道を推進する政治団体に所属しており、その神道の神社にG7の首脳を連れて行った。そのことで日本でいかにこの宗教が日本の文化に溶け込んでいるかをアピールできるのである。その様子をメディアに撮影させて、世界最強の軍隊を有する米国など先進国の政治家らが神道が日本の宗教の中で特別な位置を占め、単なる一宗教ではなく、日本文化の核でもあると認めてくれたことを印象付けることになる。安倍首相は神道が宗教の枠を超えた、古来から続く日本の政治の礎だと考えているのだろう。つまり、これこそ政教分離原則の否定である。 
 
  安倍首相はこれまで‘団衄詭保護法の制定 ⊇乎津自衛権の解釈改憲 0棒神宮へのG7の訪問と日本国憲法を軽視し続けている。あたかも、憲法などは首相のリーダーシップを縛るものではない、と言わん限りである。 


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