2016年06月10日13時39分掲載  無料記事
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国際

「アメリカ緑の党」大統領候補者がバーニー・サンダース候補(民主党)に「アメリカ緑の党」からの立候補を促す 「政治革命の継続を」「二大政党制は崩れている」

  先日、ヒラリー・クリントン候補が民主党の大統領選の予備選で勝利宣言をしたばかりのアメリカ。「アメリカ緑の党」の候補者が敗れたバーニー・サンダース候補の政治革命を称え、「アメリカ緑の党」の大統領候補にならないかと闘いの継続を促しているようだ。 
 
  報道によると、「アメリカ緑の党」の大統領選候補者、ジル・スタイン氏が報道番組や新聞でそう発言している。スタイン氏は内科医で、バーニー・サンダース氏の政策と自分の政策が近いことをあげている。一方、スタイン候補は民主党のヒラリー・クリントン候補は一見、左派のように見えて右派であるとして批判している。女性にとって大切なのは候補者が女性であるか男性であるかというジェンダーの違いではなく、実際に女性に対してどのような政策を行うことができるかである、とスタイン氏は語っている。 
 
  もし、サンダース氏が民主党からアメリカ緑の党に鞍替えして大統領選に臨んだ場合に、民主党の票が割れて、トランプ氏に有利になることも考えられる。2000年の米大統領選を振り返ると、共和党のブッシュ候補と民主党のゴア候補が歴史的な接戦となったが、この時、もし「アメリカ緑の党」のラルフ・ネイダー氏が政策の近い民主党で一本化していればゴア候補が勝っていた可能性もある。 
 
  ただ、今回の選挙の場合、トランプ氏が隠れ民主党員とも言われており(トランプ氏はかつては民主党の支持者だった)、民主党員の中には軍事介入派でタカ派として知られるヒラリー・クリントン候補よりも、ドナルド・トランプ候補の方がハト派でよい、と考える人も存在する。たとえば女優のスーザン・サランドン氏のような場合だ。そういう意味では今回の選挙は今までの大統領選とは大きく異なる構図となっている。 
 
  現在、74歳のサンダース上院議員(バーモント州)は2019年まで3年間任期が残っている。もともと無所属議員で、2015年に大統領選を控えて民主党に参加した。そういう意味では残された政治家としての歳月を考えれば民主党にとどまる必然性はなく、「アメリカ緑の党」に鞍替えしてもよいのではなかろうか。 
 
 
 
■CNN 「プランBが残されている」(Green Party's Jill Stein to Sanders fans: 'There's a plan B here') 
http://edition.cnn.com/2016/06/08/politics/jill-stein-bernie-sanders-supporters/index.html 
 
■「デモクラシー・ナウ!」(ジル・スタイン候補がバーニー・サンダース候補に「アメリカ緑の党から立候補を 政治革命を継続して」) 
'Jill Stein to Bernie Sanders: Run on the Green Party Ticket & Continue Your Political Revolution' 
http://www.democracynow.org/2016/6/9/jill_stein_to_bernie_sanders_run 
 
■「アメリカ緑の党」ジル・スタイン氏のウェブサイト 
https://gradesfixer.com/blog/what-is-democracy/ 
  2012年に「アメリカ緑の党」の大統領候補者として大統領選挙に出馬している。内科医。 
 
■ジル・スタイン氏の声明「二大政党制は崩れている」 
https://www.youtube.com/watch?time_continue=4&v=2NjkCfjU-FY 
 
■米大統領選 あのトランプ氏が「リベラル」と批判されていた・・・ ネガティブキャンペーンで批判集中「我々はトランプという人物をどの程度知っているのか?」 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201601301744476 


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