2016年06月24日04時47分掲載  無料記事
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欧州

スコットランド民族党、二コラ・スタージョン党首「もし英国が欧州連合離脱を決め、スコットランドが欧州連合残留を望んだ場合、スコットランドで英国からの独立を求める住民投票を求める声が非常に強まるでしょう」

  23日、英国では欧州連合を離脱するかどうか、国民投票が行われた。現在、未だ結果は出ていない。英国の行方を握る大きなファクターがスコットランド民族党である。昨年の総選挙で一気に50人台に議員を乗せ、独立に向けて大きく躍進した。そのカリスマ的リーダーが二コラ・スタージョン党首であり、スコットランド民族党は英国からの分離独立を目指す一方、欧州連合には留まりたいと考えている。そのため、もし英国が欧州連合離脱を決めた場合は、一層両者の違いが顕著となる。 
 
  ロイターのインタビューによると、スタージョン党首は「もし英国が欧州連合を離脱する投票を決め、一方スコットランドでは残留希望の声が多かった場合は、スコットランドが英国から分離独立をするかどうかをスコットランド人が決める投票を行うこと求める声が非常に高まるだろう」と述べたという。ただ、その日程は明らかにしていないようだ。 
 
  スコットランドは2014年9月に英国から独立するかどうかの住民投票を行ったが、55−45で英国残留を選択することになった。しかし、これを機にスコットランド民族党が大きく躍進することになった。 
 
  同様のことは欧州連合内の他の国でも起きている。独立運動が盛んなバルセロナを州都とするスペインのカタルーニャ州である。カタルーニャ州がスペインから独立した場合に、カタルーニャは欧州の中でどのような位置づけになるのか。エル・パイス紙がアンケートを行ったところ、カタルーニャ州民の半数近くが独立に賛成しているが、もし独立によって欧州連合から切り離されるのであれば独立支持は37%に減じたという。スペインからは離れたいが、ユーロ圏にはとどまりたいのである。このことはスコットランドの場合とよく似ていると思われる。欧州連合という共通の大きな多民族から構成される連邦的な「国家」には帰属するが、地域的な国民国家には帰属しない、というあり方である。 
 
■ロイターの二コラ・スタージョン党首へのインタビュー 
http://uk.reuters.com/article/uk-britain-eu-scotland-idUKKCN0Z117D 
 
■二大政党制の元祖英国の選挙 保守党331議席(36.9%) 労働党232議席(30.4%) スコットランド民族党56議席(4.7%) 労働党の敗因分析がどう報じられているか 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201507221737023 
 
■英国のEU離脱国民投票  英国経済の明暗は? 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201606231947004 
 
■スペインの漫画から〜スペイン経済危機・カタルーニャ州は独立するのか?〜 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201211231627555 


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