2016年06月27日23時02分掲載  無料記事
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コラム

改憲後の新聞  「プラウダにイズベスチヤ(ニュース)なし、イズベスチヤにプラウダ(真実)なし」

  憲法がもし改正された後、新聞業界はどう変わるのだろうか? 「公益」という言葉のもとで表現の自由が規制される上に、特定秘密保護法もあり、面白い記事が今以上に出てこれなくなることが予想されるのである。新聞ファンには耐えられないことだろう。 
 
  大手新聞の一角にはプロパガンダ的な新聞もあるけれども、プロパガンダ闘争に勝利したあと、まだプロパガンダ新聞の必要性があるのだろうか。憲法が改正されれば政府自身がプロパガンダ機関となってすべての新聞の論説から記事まで注文をつけることができる時代になるだろう。そうなったら政府統制の大手プロパガンダ新聞が2紙あれば事足りる。なぜ2紙か、と言えば1紙だけなら民衆は退屈してしまうから、選択の余地を残そうと言うのである。ソ連の場合は、プラウダとイズベスチヤの2紙が大手新聞だった。その違いをめぐる小話が次のようなものだったという。 
 
Q ソ連の二大新聞、「プラウダ」と「イズベスチヤ」の違いは? 
A 「プラウダ」にイズベスチヤ(ニュース)はない。 
  「イズベスチヤ」にプラウダ(真実)はない。 
 
( ’真実 ’ にニュースなく、’ニュース’ に真実なし) 
 
  今、日本には大手紙だけでも5紙あるが、報道管制が敷かれたら新聞はどれも似たようなものになって面白くなくなるから(今すでに日増しに面白くなくなってきている)5紙もいらなくなるだろう。せいぜい2紙と経済紙が1つあれば事足りるのではなかろうか。政府が強権的に削減しなくてもおのずと新聞読者の総数が減って維持できなくなるだろう。新聞業界は消費税の軽減のことばかり気にかけているかもしれないが、新聞の数が半減するかもしれない可能性は考えていないのではなかろうか。新聞業界は政府の顔色ばかり窺っていないで読者のために紙面を作っていなければ新聞の未来はないに等しいだろう。 
 
 
■ロシアから見る特定秘密保護法案  〜日本がソビエト化する日〜 
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