2016年06月28日23時48分掲載  無料記事
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イスラエル/パレスチナ

イスラエル軍、裁判なしでパレスチナ人教師の拘禁を延長

イスラエル軍は、パレスチナ人サーカス・パフォーマー、ムハンマド・ファイサル・アブ・サハさんの行政拘禁命令を更新した。サハさんは、昨年12月に逮捕されて以来、起訴もなく拘禁されてきた。行政拘禁制度が、恣意的、抑圧的に適用されている一例である。(アムネスティー国際ニュース) 
 
行政拘禁により、当局は起訴も裁判手続きもなしに無期限な拘禁が可能となる。国際法では、この制度の適用は例外的な場合にのみ認められており、適用にあたっては厳格な保護措置を求めている。 
 
アブ・サハさんは、パレスチナで学習障がい児対象のサーカス学校に、パーフォーマー兼教師として勤務していた。昨年12月半ば、アブ・サハさんは、通勤途上で逮捕された。 
 
パレスチナ解放人民戦線(PFLP・武装部門を持つ左派政党でイスラエルにより禁止されている)とともに違法活動をしたからだということだった。 
 
12月末、軍は6カ月の行政拘禁命令を出し、翌月には、軍事法廷もこの命令を支持する決定を下した。違法活動を立証する事実はまったく開示されなかったため、本人がその根拠や行政拘禁に対して反論のしようもなかった。 
 
6月15日には、軍判事が再更新や期間の短縮、停止のいずれにするかを審理・決定する。大抵の場合、この手続きも、命令を更新するための一つの手続きに過ぎない。 
 
当局は、法が規定する容疑で起訴するか、釈放するか、いずれかの対応を取るべきである。イスラエルは、長きにわたり、パレスチナ人の抗議の声を封殺するため、行政拘禁を利用してきた。 
 
この卑劣な慣行を全面的に撤廃する措置を即刻講じるべきである。 


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