2016年09月06日00時45分掲載  無料記事
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国際

ND米紙ウィークリーニュース第97号(September 4, 2016)

●目次● 
 
【ケリー米国務長官 南スーダン援助打ち切り警告】WSJ 8/22 
Kerry warns South Sudan that aid won’t continue if its leaders don’t seek peace 
 
【TPP締結の困難 オバマの業績に暗い影】WSJ 8/23 
Diminishing Prospects for Trans-Pacific Partnership Cloud Obama Goals 
 
【北朝鮮のミサイル 日中韓を一時的に連携】NYT 8/24 
North Korean Missile Test Brings Temporary Unity in East Asia 
 
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【TPP締結の困難 オバマの業績に暗い影】WSJ 8/23 
Diminishing Prospects for Trans-Pacific Partnership Cloud Obama Goals 
 8月23日付のWall Street Journal紙は、オバマ米大統領が任期を終える1月までに環太平洋経済連携協定(TPP)の合意を得られない可能性が増しつつあり、オバマ大統領の外交政策上の業績に傷をつけることになるだろうと報じた。 
 同紙は、11月の大統領選挙後に議会が同協定を承認する見込みは薄く、米政府がこれまで考えていた楽観的な状況からは大幅に転換していると指摘。また、TPPを締結できないことは、後任の大統領のアジェンダにも困難をもたらすだろうと見ている。 
 大統領選挙が始まってから貿易に関する政治は著しく変化しており、民主党指名候補のヒラリー・クリントン氏は反対することを余儀なくされた。他方、共和党指名候補のドナルド・トランプ氏も長期にわたる共和党の自由貿易に対する支持を破棄し、TPP反対の姿勢を示している。 
 ホワイトハウスのジョシュ・アーネスト報道官は8月22日、「オバマ大統領は任期終了までの締結に期待しているものの、失敗した場合には中国のために余地を残す形となる」「中国はTPP参加国と独自の貿易協定を結ぶ動きを重ねており、そこから米国が切り出されるという非常に現実的なリスクがある」と発言している。 
 
【北朝鮮のミサイル 日中韓を一時的に連携】NYT 8/24 
North Korean Missile Test Brings Temporary Unity in East Asia 
 8月24日付のNew York Times紙は、北朝鮮の潜水艦発射弾道ミサイル「ムスダン」発射を受け、日本・中国・韓国が北朝鮮への非難で一時的に連携していることを報じた。 
 同紙は、日中両国は尖閣諸島をめぐり緊張が高まっており、中韓両国は在韓米軍への高高度迎撃ミサイル(THAAD)配備によって冷え切っていたが、北朝鮮の「ムスダン」発射により団結が深まったとみている。 
 また、北朝鮮の脅威を減らすためには3か国の協働が必要であるとの専門家の意見も紹介。一方、日本では安保法制の見方が変化しており、日本国民が安倍政権の進める軍事活動の拡大を受け入れるようになってきているのではとの専門家の見方も紹介した。 
 テンプル大学日本校のジェフ・キングストン教授は、中国や北朝鮮と日本の緊張が高まれば、憲法9条の改正を目指す安倍政権には追い風になると指摘しながらも、憲法第9条の改正に関しては、国民のみならず連立政権内からの反対もあり、難しいとしている。 
 
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