2016年09月13日15時05分掲載  無料記事
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遺伝子組み換え/ゲノム編集

新手の宣伝工作? 世界で初めてゲノム編集のキャベツを食べたとスェーデンの研究者

 スウェーデン・ウメオ大学の研究者がゲノム編集技術で作出したキャベツを料理して食べたが、CRISPR-Cas9を使ったものとしては世界で初めて、と発表した。このキャベツは、ウメオ大学で開発したのではなく、外部の研究者が提供した種子をウメオ大学で栽培したとしている。ゲノム編集技術を使った食品への懸念を少なくしていこうとする宣伝工作か。(有機農業ニュースクリップ) 
 
 
 スウェーデン農業委員会は、外部のDNAが挿入されていないことから遺伝子組み換え作物ではないとして栽培を承認したという。EUはまだゲノム編集作物について最終的な対応を決めていない。 
 
 このゲノム編集で作られたキャベツが、いかなるものであったのかは明らかになっていない。しかし、300グラムを炒めて、パスタと一緒に食べたといい、写真を公開している。味が如何ほどであったかは触れていない。 
 
 ・Umea University, 2016-9-5 
  Umea researcher served a world first (?) CRISPR meal 
  http://www.umu.se/english/about-umu/news-events/news/newsdetailpage/umea-researcher-served-a-world-first----crispr-meal.cid272955 
 
 ・Science, 2016-9-6 
  A Swedish scientist included cabbage engineered with CRISPR-Cas9 in this pasta dish. 
  http://www.sciencemag.org/news/2016/09/did-swedish-researcher-eat-first-crispr-meal-ever-served 
 
 
 世界初の「快挙」と喧伝したいのかもしれないが、このようにしてニュースにすることで、ゲノム編集技術を使った食品への懸念を少なくしていこうとする宣伝工作の一つだろう。遺伝子組み換え食品に対する消費者の懸念が、なかなかなくならないことに、日本政府は苛立ちを隠していない。ゲノム編集などのNBT技術による新しい作物の普及には、消費者対策が重要であるとみている。しかし、このゲノム編集のキャベツを食べてみたいとは思わない。 


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