2016年09月29日12時51分掲載  無料記事
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コラム

アシモフの「ロボット工学三原則」と殺人ロボット兵器  大野和興

 いまや古典となったSF(サイエンス・フィクション)の名作にアイザック・アシモフのロボットものがあります。科学が進み、人間のように感じ、考える人型ロボットの物語です。『われはロボット』と題されたその作品の中で、アシモフは「ロボット工学三原則」なるものを打ち出しました。 
 
 三原則とは、「ロボットは人間に危害を加えてはならない」「ロボットは人間にあたえられた命令に服従しなければならない」「ロボットは、前掲第一条および第二条に反するおそれのないかぎり、自己をまもらなければならない」というものです。 自意識が生まれたロボットたちは、この三原則に縛られ、やがて自己崩壊をします。 
 
 この作品が発表されたのは1950年です。今からほぼ70年前につくられたこの作品には、科学技術と人間についての深いペシミズムが流れています。そして70年後、殺人ロボットが登場しました。 
 
 兵器産業の最先端は「自律型致死兵器システム」の開発だといわれています。「人間の意思を介在させずに自ら攻撃目標を選別して殺傷する兵器」のことです。人に代わってロボットが戦争する時代が始まっているのです。 
 
 日本がからむ最近の具体的動きとしては、軍用無人機ドローンのイスラエルとの共同開発があります。軍用無人機の開発ではイスラエルが世界をリードし、パレスチナへの攻撃に投入され、多くの市民を犠牲にしています。このイスラエルの技術に日本の高度なセンサー技術を組み込み、殺人ロボット機にしようというのが共同開発を進める防衛施設庁の狙いです。 
 
 殺人ロボット兵器の登場は戦争の概念を大きく変えます。同時に軍事技術と産業用ロボットとの境界が次第に消滅していきます。ロボットはアベノミクスの最大の柱ですが、それは軍需産業育成に他なりません。 


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