2016年10月04日00時00分掲載  無料記事
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国際

ND米紙ウィークリーニュース第100号(September 28, 2016)

●目次● 
 
【国粋主義から世界主義へ 稲田防衛相が方針転換か】WP 9/18 
Japan’s prime-minister-in-waiting trades nationalism for globalism 
 
【NATOがロシア案を拒否 バルト海上空の安全対策】WSJ 9/20 
NATO Rejects Russian Air-Safety Proposal for Planes in Baltic Region 
 
【シリア停戦合意の行き詰まり 米国が認める】FT 9/23 
US admits to impasse over efforts to stop Syria fighting 
 
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【国粋主義から世界主義へ 稲田防衛相が方針転換か】WP 9/18 
Japan’s prime-minister-in-waiting trades nationalism for globalism 
 9月18日付のWashington Post紙は、タカ派として知られる稲田防衛大臣が、日本初の女性総理大臣を目指すにあたり、国際協調を目指すグローバリズムへと考えを変えてきていると報じた。 
 同紙は稲田氏を、日本の核武装を主張していたこと、弁護士時代に旧日本軍の行動を擁護する活動をしていたことなどから、国粋主義者と紹介。 
 しかし、ワシントンでカーター国防長官と会談した際、グローバルな視点を持ち、韓国なども含めた世界各国との関係を構築することを重視すると稲田氏が発言したことから、日本の地位を高くし、自身が総理大臣を目指すために、国粋主義からグローバリズムに考えを変えたのではないかと同紙は見ている。 
 ただ、彼女が総理大臣になることを不安視している人も多く、稲田氏が本当にグローバリズムを志向する政治家に進化するかどうかは不透明だと同紙は伝えている。 
 
【シリア停戦合意の行き詰まり 米国が認める】FT 9/23 
US admits to impasse over efforts to stop Syria fighting 
 9月23日付のFinancial Times紙は、米政府が22日、シリアでの停戦合意のための外交的努力が行き詰まったと発表したことを報じた。 
 同紙によると、これまで数週間にわたり訂正計画の構築・支援にあたっていた米国のジョン・ケリー国務長官は「停戦計画を復活させる唯一の方法は、紛争地帯上空での航空機の飛行を禁じることだが、ロシアとアサド政権が応じることは期待できない」「問題は、これまで通りの交渉が続けられないことが明らかとなった今、解決の糸口が残っているかどうかだ」と悲観的な評価を下した。 
 9月19日に起きた国連の支援部隊への空爆について、米側はロシアの責任とするが、ロシア国防省のコナシェンコフ報道官は「我々は米国の無人機によるものとする客観的なデータがある」と主張し、米政府を非難した。 
 同紙は、ここ数ヶ月でアレッポは最もひどい状況に陥っているとのイギリスの人権監視団体による報告も紹介し、病院では人手や薬の不足が深刻化していると伝えた。アレッポの病院で24時間体制で働くアブ・ラジャブ医師は、空爆により手足を失った子どもを救うため、手術を必要としていた70歳の老人を見殺しにせざるを得なかったことを「最大の恥であった」と述懐した。 
 
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