2016年11月24日10時18分掲載  無料記事
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コラム

トランプ・ステッカーへの復讐

  アメリカに住んでいるアメリカ人の私の知り合いが少し旅行をして帰ってみると、共同住宅の共同車庫に駐車していた車がやられていた。といっても窓を割られたり、盗難があったのではなかった。車に張り付けたステッカーに危害が加えられていた、というのだ。そのステッカーとは米大統領選のトランプ候補支持のステッカーだった。ステッカーを買って車に張り付けることで、トランプ候補の資金を支援する、という草の根キャンペーンが行われていたのだ。 
 
  トランプ・ステッカーにも様々あるが1枚数百円くらいのようだ。こうしたステッカーがいろいろなウェブサイトで販売されていた。トランプ候補の売り口上「アメリカを再び偉大にする」が書き添えられたものや、共和党のシンボル、象の上にトランプ候補のトレードマークである金髪が乗っかっているもの(巨大なナメクジみたいだが・・・)など、様々なバリエーションがある。 
 
  どぎついのではヒラリー・クリントン候補を貶める写真つきのものもあった。そこには「あの女をTrumpしろ」と書かれていた。”Trump”という名前がここでは動詞扱いされているのだ。さらには「(メキシコとの間に)壁を作って法を執行しろ」というものまである。 
 
  選挙戦が終わって、蓋を開けてみたらトランプ候補が大勝利、ということで民主党支持者が多い州に住んでいるその人は車に張り付けたステッカーが復讐の対象になってしまった、ということのようである。ステッカーの上というよりステッカーを張っていた後部の窓全面にシェービングクリームが塗りつけられ、あるいは後部バンパーに張ったステッカーのあたりは車をぶつけられた痕跡があったという。 
 
  元来、その人自身も民主党支持者だったのだが、今年は共和党のトランプ候補支持に鞍替えしたのだという。その理由はヒラリー・クリントン候補がどうしても支持できなかったからだそうだ。車の難は民主党コミュニティの人たちによる「裏切り者」への復讐だったのだろうか。「ベイビーブーマー世代も、いい加減、大人にならなくちゃね」とその人はため息をついている。 
 
 
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