2017年01月13日14時53分掲載  無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=201701131453495

アフリカ

【西サハラ最新情報】  パン・ギムン前国連事務総長、お前もか?  平田伊都子

 国連プレス・ブリーフィングは、1月3日から土曜日曜を除いて、平常営業をやっています。 1月11日と12日に、常連の記者がパン・ギムン氏の国連事務総長時代から問題になっていた贈賄事件を追及しました。 パン・ギムン氏の在任中も退職後も「パン・ギムンの支援を得ている」というメールを証拠に、同記者はパン・ギムン氏が事件に関与し、さらに、国連の関与にも迫りました。 国連事務総長報道官は、旧年も新年も「私は事件に関与していない(当たり前だろ!)。パンに直接聞いてくれ」と逃げました。 パンは何も明かさず、国連から逃げました。 アナン前前事務総長にも身内不祥事がありましたネ? 
 前国連事務総長の疑惑を知ってか知らずか、西サハラ難民は外交闘争を続けています。 
 
(1) 1月4日、イギリス政府から返信: 
 2017年1月4日、西サハラ難民政府のロンドン代表部にイギリス外務省マグレブ(北アフリカ)班から書簡が届いた。この書簡は、ロンドン代表部が送った質問書への解答で、「イギリス政府は、西サハラ紛争の平和的解決を目指す、国連事務総長と国連事務総長個人特使の尽力を支持する」と、変わらぬ国連支持を表明した。さらにマグレブ班は、「2010年の平和デモで不法に収監されている西サハラ平和活動家に対するモロッコ裁判に、イギリス政府は注目している」と、伝えた。2010年の平和デモとは、モロッコ占領地西サハラで西サハラ住民2万人が5千のテントを張ってモロッコ占領当局に抗議した<市民運動>を指す。モロッコ軍はヘリコプターや放水車や重装備の軍用車を動員して、非武装の<抗議キャンプ>に総攻撃をかけた。テントに立て籠もる西サハラ被占領民に向かって、催涙ガス入りの水を浴びせ、機関銃を乱射した。幼児や老人は砂漠に放り出し、少年や成人は男女を問わず連行する。最後にモロッコ軍は、テントに火を点け<抗議キャンプ>を跡形なく焼き尽くした。死者36人、負傷者723人、行方不明159人。7年経った今も、デモに参加したという理由で、20人以上が悪名高いサレ監獄に繋がれたままで、拷問と虐待に曝されている。その約20人の収監者に対する裁判が、2017年1月23日に行われる予定だ。 
 
(2) 1月6日、ガリ西サハラ難民大統領が南アフリカに、そしてザンビアへ: 
 2017年1月6日から11日にかけて、ブラヒム・ガリ西サハラ難民大統領はアフリカの西サハラ支援国を歴訪した。最初に訪れた南アフリカのヨハネスブルグでブラヒム・ガリ西サハラ難民大統領は、ジャコブ・ズマ南アフリカ大統領に会った。ガリ大統領はズマ大統領に、民族自決権の国連西サハラ住民投票への支援を感謝し、ズマ大統領は40年を超えた西サハラ住民の独立闘争を激励した。 
 ブラヒム・ガリ西サハラ難民大統領は1月10日にザンビア首都のルカサに入り、エドガー・ルング・ザンビア大統領に会った。両首脳はアフリカ人に国境を開放したAUアフリカ連合の、さらなる経済的交流を語り合った。そして、アフリカ最後の植民地・西サハラの早期解放に向け、AUアフリカ連合は勿論、UN国連やEU欧州連合に強く働きかけていくことを誓い合った。 
 
(3) ハトリ・アドウ西サハラ難民議会議長は南米へ: 
 西サハラ難民政府RASD(サハラ・アラブ民主共和国)を正式国家として承認している国は、アフリカと中南米に集中している。年始参りは、アフリカをガリ大統領が中南米はハトリ議長が担当した。ハトリ議長は1月10日に、ニカラグア首都のマナグアを訪れた。この日、ニカラグア大統領に再選されたダニエル・オルテガに、ハトリ議長はガリ西サハラ難民大統領の親書を手渡し、旧交を温めた。ニカラグアはRASD(サハラ・アラブ民主共和国)を1979年から承認し、マナグアにはRASD大使館もある。 
 中南米では、キューバ、メキシコ、ベネズエラ、ボリビア、エクアドル、コスタリカ、コロンビア、トリニダード・ドバゴ、パラグアイ、ウルグアイ、、等々の国が西サハラ難民政府RASD(サハラ・アラブ民主共和国)を正式に国家承認している。 
 モロッコはAUアフリカ連合を始めこれらの承認国に、西サハラ難民政府RASD(サハラ・アラブ民主共和国)承認の取り消しを強要している。 
 
 パン・ギムン氏が国連事務総長時代に起きた不祥事とは、ベトナムにある高層ビルの売却をめぐる実弟と甥の贈賄事件で、二人はニューヨーク連邦裁判所に起訴されました。 メールの交信記録からパン・ギムン氏の関与は間違いないようです。 国連事務総長の不祥事は、国連不信に繋がり、国連不要論を巻き越します。 そんな国連を一途に信じてついてきた西サハラの人々、、やるせないですネ、、ハッカー会社に大金を貢いでいるモロッコは、パンの不祥事をいち早く掴んで、西サハラから手を引けと脅迫したそうです。 パン・ギムン氏は国連事務総長として初めて西サハラ難民キャンプと難民政府を訪問したのに、モロッコの猛反撃に襲われてあっさり手を引きました。 やっぱりネ、、と、ますますパン・ギムン氏への疑惑は深まっていきます。 
 親愛なる西サハラのお友達、、別な切り口は見つかりましたか? 
 
 
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之     2017年1月13日 
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子 


Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
  • 日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
  • 印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。