2017年01月14日10時42分掲載  無料記事
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米国

大学と読書  カリフォルニアの光

  30年前、私は大学の夏休みに北米一周旅行をしました。ロサンゼルスから入国して東海岸に出てニューヨークまで行き、再び西海岸に向かっていくとサンフランシスコにたどり着きました。ここで数日過ごすことになりましたが、カリフォルニア大学バークレー校という優れた大学があるというので1日出かけました。 
 
  日本に比べると信じられないくらい広々としたキャンパスです。カリフォルニアの夏の日差しがまぶしいくらいに注いでいました。夏休みなのでキャンパスにあまり学生の姿は多くはありませんでした。土産にとキャンパスのショップでTシャツを買いました。そのTシャツは30年後の今でも着ることができるものですが、特色のある絵が描かれています。なんと本が真ん中に描かれているのです。その下に”LET THERE BE LIGHT"という言葉が記されています。 
 
  「レット・ゼア・ビー・ライト」=そこに光をあらしめよ。本の上に星形の光源が描かれていて、光が世界をくまなく照らしています。この言葉は旧約聖書(創世記)から取られているらしく、キリスト教では神が世界を創造した時に最初に光を創造したとされます。それ以前は暗闇だったそうです。しかし、このTシャツの場合はむしろ読書によって知識を深め、隠された真理を明るみに出す知の営みをイメージしているのではないでしょうか。 
 
  なんとなく古色蒼然とした雰囲気でもありますが、カリフォルニアという土地の強い太陽の下に置いてみると、いかにも西海岸の自由でのびのびした気風が感じられるではありませんか。たかがTシャツ1枚と言えばそうなんでしょうが、リンゴのマークとか、熊とかじゃなくて、本という実にベタなものがしっかりと描き込まれていることに強い印象を受けました。 
 
  カリフォルニア大学バークレー校は州立大学で、ハーバード大学やスタンフォード大学のような私立大学ではありません。学費は桁違いに安いはずです。しかし、ノーベル賞学者も多数輩出しているほか、人文や社会学の方面でも優れた学者を多数擁しているようです。ウィキペディアによると、アメリカの州立大学では最も優れた大学という評価があるようです。 
 
 
※God said, Let there be light: and there was light. (旧約聖書) 神は「光あれ」と言われた, すると光があった. - 研究社 新英和中辞典 


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