2017年01月25日22時34分掲載  無料記事
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文化

家族の肖像 フランス その4  社会主義者の娘シャルロット Family portrait in France #4  Daughter of socialists, Charlotte

  パリ近郊の町に住むレジャーヌ・ボワイエ(Rejane Boyer)さんの半生とその祖父と父の人生模様の一端をこれまで見てきました。ボワイエさんの祖父は社会主義者、父は共産主義者、そしてボワイエさんは最初は父の影響で共産主義者でしたが、のちに社会主義者に転じています。今回はボワイエさんの娘、シャルロットさんについてです。現在、30代半ばのシャルロットさんはやはり社会主義者なのでしょうか?また、どのような仕事について、どのように現代生活を送っているのでしょうか?「家族の肖像」シリーズを始めた時、無謀とも思われるでしょうが、私は19世紀の作家エミール・ゾラが「ルーゴン・マッカール家」の運命を通して第二帝政時代(1852年-1870年、ナポレオンの甥ルイ・ナポレオンがクーデターを行い、改憲後、国民投票で皇帝となった時代)を描いたように、オノレ・ド・バルザックが人間喜劇で多様な人間を描き、その個々の人生の集成から19世紀のフランス社会を描いたように、現代フランスの様々な家族を何代にも渡って聞き取りをすることで、今日のフランス社会をよりリアルに理解したいと思うようになったのです。そんな思いも込めて、今回はレジャーヌ・ボワイエさんの娘さんであるシャルロット・ボワイエさんにお聞きしました。 
 
(以下はシャルロットさんへのインタビュー) 
 
Q Please tell me about your job. what is " animatrice " ? 
Why did you become "animatrice" ? 
 
Q あなたの仕事について教えていただけますか?あなたが就いていたフランス語でいうところの「アニマトリス」というのは何をする仕事なのですか?  またどのような経緯でその仕事に就かれたのでしょうか? 
 
I have a MBA in Marketing and Advertisement. During 10 years, I tried to work for various private firms in different business sectors (printing, fashion shop, disguise, models booking, professional education…). In 2014, it became clear that it was not the life I wanted anymore. Indeed, my personal values did not fit the commercial aims of that kind of businesses. 
 
私はマーケティングと広告の分野でMBAを取得しています。そして10年の間、様々な業界のいくつもの民間企業で働いてきました。印刷会社、ファッション小売り、仮装用品業、モデルエージェント、教育ビジネスなどです。しかし、2014年に私はそれまでの生き方が私には向いていないことをはっきりと確信することになりました。実際、私の個人的な信念と、それらの産業の商業的なゴールとはあわなかったのです。 
 
I could not bear selling stuff to people who did not really need it or even, selling bad products.For example, in one of these firms, my job consisted in selling a product that I knew was not the one people would get (in terms of quality and quantity). I had no influence on the quality of that product, even if I tried my best. So I felt I was betraying my principles. 
 
 私は人々が必要としていない商品を売ることに耐えられず、さらに悪い商品はなおのことです。たとえば、ある会社では品質の面でも量の面でも人々のニーズにこたえることのできないものを販売することを余儀なくされていました。どのように頑張ったところで、商品の品質を向上させることは(職域の関係上)、私にはできなかったのです。そのため、私は自分の原則を裏切っていると感じるようになりました。 
 
So I decided to start a total career change. My first goal was to become a youth leader, and then, tried to pass the selection for school teaching. Indeed, I always loved to be around children and teenagers. And transmitting knowledge, values, know-how… is something that motivates me a lot. Also, we have a tradition of leading youth in our family: my uncle, my mum, my brother…! I discovered that I liked being a youth leader. So I finally did not pass the school teaching selection. 
Nevertheless, 8 months ago, I quit and became a youth informer. I had the opportunity to work closer to where I live, in a job that fits better with my curriculum. 
 
それで私は職業をこれからまったく変えようと決意をしたのです。最初の目標は若者たちの指導員(アニマトリス/ファシリテーター)になることでした。そのあと、私は学校で教師になる試験を受けようとしたんです。実際に私は子供やティーンに囲まれているのが好きだったんです。子供や若者たちに知識やノウハウなどを教えることに私は惹かれました。ただ、実を言いますと、私の親族は〜叔父も母も弟も〜伝統的に若者の指導員(アニマトリス/ファシリテーター)をしてきたのです。(※若者の指導員は教師とは異なる役職で、若者たちを楽しませたり、知恵をつけたりする存在)そして私も指導員になりまして・・・私も若者たちの指導員の仕事が好きであることに気づきました。その結果、教職員試験には受からなかったのです。 
 
  ところが、若者の指導員になって8か月もすると、この仕事も辞めて、今度は若者たちに様々な情報を提供する情報提供員(アンフォルマトリス)の仕事に就いたんです。職場は住まいの近くで便利ですし、私が受けてきたMBAの講義も活かせる仕事かなと思っています。 
 
Youth leader and youth informer are pretty different jobs. As a youth leader, I was in charge of children, proposing them different activities (drawing, painting, sport, singing, learning English and Spanish...). Now, I welcome young people from 16 to 25 years old, and I provide them information about all topics that interest them : job, studies, vacation, everyday life, welfare, housing... I really feel I'm useful to these people. And that's one of my goals in life. 
 
  若者の指導員(アニマトリス/ファシリテーター)と若者への情報提供員(アンフォルマトリス)はかなり異なる業務内容をもっています。若者の指導員をしていたとき、私は子供たちに様々な活動を提案していました。デッサンや絵画、スポーツ、歌、英語やスペイン語などの学習といったものです。今、私は若者に情報を提供する仕事をしていますが、16歳から25歳の若者たちに彼らが求める情報を提供するのです。仕事の情報や、教育、休暇、日々の暮らし、福祉、住宅などについてです。若者たちの役に立っていると本当に感じています。私にとっては人生の目標の1つだと思っています。 
 
Q What do you think about french politics? 
 
Q フランスの政治についてどうお考えですか? 
 
 I'm a bit confused right now, I do not feel much confidence for our Political men and women. I do not know yet who I will vote for. We are waiting for the "Primaires" (first elections to determine who's going to be the candidate for each party). And I need to check who's got the best opinion for me. 
 
今はいささか混乱していると思います。フランスの政治家は男性も女性もあまり信頼することができません。今年の選挙で誰に投票するかは未だ決めていません。各政党の予備選挙の結果が出そろってから誰がよいか、自分なりに考えて決めたいと思っています。 
 
Q Are you socialist ,too ? as your parents ? 
 
Q あなたも社会主義者なのですか、ご両親のような? 
 
About socialism and communism, well, it's been part of my education, as values are concerned. I think I'm a socialist, but you know, I'm not as politically involved as my parents.Well, if being a socialist means interested in people's well-being, freedom and equality; so yes, I must be a socialist ! 
 
  社会主義や共産主義についてですが、その価値観という意味では確かに私の学生時代の教育の一部でした。私は社会主義者だと思っていますが、ご存じの通り、私は両親のように政治にコミットしている人間ではないのです。もし社会主義者というものが人々がよりよい生活を送ることや自由や平等を目指す存在という意味でなら、私は社会主義者に他なりません! 
 
When I was a teenager, I was fed up with politics. In my family, it's like a religion, you know. Grand-father, uncles, father, mother, friends... They all used to talk about politics all the time... 
At 16 or 17, I was interested in Politics but around 18 or 19, I became more interested in my career. As I grew up, I needed to make my own choices, to build my own life. 
Finally, around my 30's, I found out that I needed to be thrilled by my job. I wanted it to respect my values. That's why I decided to quit the private sector and to work in the public one. Like my mother... 
 
10代の頃、私は政治的な環境に巻き込まれていました。私の家族では政治は宗教みたいなものなのです。ご存じのはずですが、祖父も叔父も父も母も友人たちも、いつも政治の話をしているんですよ。16歳か17歳の頃、私もまた政治に関心を持ちましたが、18歳から19歳になると、私の人生のキャリアにより関心を持つようになったんです。成長するにしたがい、自分自身の生き方を築くために、自分独自の選択をする必要を感じたわけです。 
  今、私は30代ですが、今の仕事に夢中になる必要があると感じるようになりました。私の価値観を大切にする上でこの仕事が大切なのです。そういうわけで、私は民間企業の仕事を辞めて公共セクターの仕事をするようになりました。母が今やっている仕事みたいにです。 
 
Q What do you think about the world of today? 
 
Q あなたは今日の世界をどうご覧になりますか? 
 
  That's an amazing world, in every way. In one day, you can be surprised, pleased, disgusted, scared... You can feel and live many things. Maybe too much. Life is very fast. Too fast, I think. We need to slow down a little bit if we want to live things fully. 
 
 驚くような世界です、すべての意味において。たった1日の中で驚いたり、喜んだり、嫌悪したり、恐れたり...たくさんのことを感じたり、生きたりすることができます。きっと多すぎるのでしょう。生活のリズムはとても早いです。早すぎると思います。人生を十分に生きるためには少しテンポを落とす必要があると思います。 
 
Q Please tell me about your favorite books, films etc. 
 
Q お好きな本や映画について教えてください。 
 
One of my favorite books is a dictionary of greek gods. I love stories, and mythology is made of stories. The second one is “The Arabian night stories”. Also mythology... 
I really like Stephen King, Arnaldur Indridason, Fred Vargas (a French female author) and Stieg Larsson. Well, I like crime novels ! 
  Regarding movies, I love super-heros ! Marvel are one of my favorites .Also I like series like The Walking Dead, The Big Bang Theory, Breaking Bad, Games of Throne... 
 
私の好きな本の1つにギリシアの神々の辞典があります。私はギリシア神話が好きで、神話学はそれらの物語から構成されています。もう一冊挙げるなら、「アラビアンナイト」です。これも神話ですが・・・。 
 
私はスティーブン・キングの大ファンです。アーナルデュル・インドリダソン(Arnaldur Indridason、アイルランドの推理作家), フレッド・ヴァルガス(Fred Vargas 、フランスの女性のミステリ作家) 、 スティーグ・ラーソン(Stieg Larsson)なども好きなのですが、つまり私はミステリ小説が好きなんです! 
  映像作品に関して言えばスーパーヒーローが好きです。マーヴェルはその中の1つです。「ウォーキング・デッド」(アメリカのTVシリーズでゾンビによる世界終末後の世界を描く), 「ビッグバン★セオリー/ギークなボクらの恋愛法則」(アメリカのTVコメディドラマ), 「ブレイキング・バッド」(アメリカのTVドラマシリーズ),「 ゲーム・オブ・スローンズ」(HBOのファンタジードラマシリーズ)...といったものも好きですね。 
 
Charlotte Boyer シャルロット・ボワイエ 
 
 
Interview 
Ryota Murakami 
村上良太 
 
 
 
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■家族の肖像 フランス その3  Family portrait in France #3   結婚と町での暮らし 
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■家族の肖像 フランス その2  Family portrait in France #2   民衆の歴史を振り返る 
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