2017年02月15日22時59分掲載  無料記事
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欧州

欧州議会がカナダとの自由貿易協定 CETAを承認 しかしこれから欧州連合加盟国・地域の承認が必要 CETA was approved in EU parliament

  トランプ大統領が就任早々、離脱を表明したのが環太平洋12か国の自由貿易協定(TPP)だったが、一方、欧州議会は15日、カナダとの自由貿易協定CETAの採決を行い408−254で協定を承認することになった。 
  しかし、この協定には国が企業に訴えられる可能性など、様々な難点が指摘されており、これらを加盟国が批准するにはまだ何年かかかるという。BBCなどを参照した。投票はフランスのストラスブールで行われたが、外には反対の市民が多数集まったようだ。 
http://www.bbc.com/news/world-europe-38979901 
 
■昨年10月のベルギーのWallon地域のCETA協定に対する拒否はどうなった? 
 
昨年、ベルギーの中のWallon地域が協定に対して拒否を突き付けたため、CETAは一時期、暗礁に乗り上げていた。しかし、BBCの報道によると、ベルギーの政治家たちは協定に対するaddendum(付属文書)を設けることで、Wallon地域の反対派をおさえることに成功したのだという。 
  新たに設けられた付属文書では労働者の権利をもっと強くすること、環境や消費者をもっと守れるものにすること、Wallon地域の農民をもっと大切にすることなどが盛り込まれたと言う。そして、この付属文書に関して加盟国や地域が承認したことで、CETAは再び軌道に乗ることになったようだ。 
 
■Corporate Europe Observatoryでは? 
 
 欧州連合の機関で活動する産業ロビイストをウォッチしてきたNGOのCorporate Europe Observatoryは次のような見出しのレポートを出した。”CETA approval in EU Parliament sinks corporate hooks into European democracy”(カナダとの自由貿易協定の承認で欧州の民主主義に対して企業が足がかりを築くことになる)として、企業のロビイストたちは今夜はシャンパンの詮を盛んに飛ばすことになるだろう、と綴った。今回の自由貿易協定はこれまでにない性質のものとなった。CEOが例に挙げたのは企業が国家を訴えることができるようになること、産業ロビイストが環境保護や食品規制などの分野に関して初期から独占的に政策に関与できるようになること、公共分野の事業を民営化することになることなどである。 
https://corporateeurope.org/pressreleases/2017/02/ceta-approval-eu-parliament-sinks-corporate-hooks-european-democracy 


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