2017年02月19日09時30分掲載  無料記事
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欧州

政治家の腐敗に反対する市民集会  法令順守を求めるパリ市民  ”Rassemblement contre la corruption des élus”

   2月19日(日)、今日、パリの共和国広場では市民集会が開かれます。”Rassemblement contre la corruption des elus”(選挙で選ばれた人々の腐敗に反対する市民集会)です。午後3時から7時までの予定です。これについて教えてくださった歌手のオリビエ・エベール(Olivier Hebert)さんに尋ねました。 
 
Interview to Olivier Hebert. 
 
Q Please tell me about the ”Rassemblement contre la corrapution des elus.” What is it ? 
 
Q 『選挙で選ばれた人々の腐敗に反対する集会』とは何なんですか? 
 
A  It's a demonstrative event. People, citizens getting together to stand for ethic and compliance for politicians... we want more regulations more transparency forcing them to behave ethically 
 
 (オリビエ・エベール) 抗議の集会です。人々、市民が共に集まって倫理と法令順守を政治家に求めるわけです。私たちはもっと規制と透明性を求めています。政治家たちが倫理的にふるまうようにです。 
 
Q Not against one politician but against many politicians ? 
 
Q  つまり特定の政治家ではなく、多くの政治家に対する抗議行動なんですね? 
 
A  Yes. At least for myself. Perhaps some may focus on Fillon or Sarkozy whom have been caught with unethical actions but overall we just improve the system toward ethics and transparency for all elected folks representing the people and using public money 
 
 (オリビエ・エベール)その通りです。少なくとも僕はそう解釈しています。おそらく、フランソワ・フィヨンやサルコジを標的にしている人もいるかと思います。というのも彼らが倫理にもとる行為で問題になっているからです。しかし、総体的に見れば国民を代表し、税金を使用する政治家たちに倫理性と透明性を求め、そのために政治のシステムの改善を求めているわけです。 
 
(インタビューは以上) 
 
  サルコジ大統領については以前から2007年の時の選挙疑惑があり新鮮味はありませんが、今回出てきたフランソワ・フィヨンの汚職疑惑は今、新たにフランスの話題になっているものです。妻を政治のスタッフに登録して多額の公的経費をつけていたとされる疑惑です。フランソワ・フィヨンは共和党から今年行われる大統領選挙の候補者に昨秋選ばれたばかりですが、この問題がダメージになってきています。 
 
  この問題に関してBBCは次のような見出しで報じたばかりです。 
”Francois Fillon goes back on promise to quit if investigated”(フランソワ・フィヨンは公式に捜査の対象となれば大統領選から離脱すると約束) 
http://www.bbc.com/news/world-europe-39010250 
 ”Mr Fillon's campaign has been dogged by claims, which he denies, that his wife and two of his children were paid for non-existent parliamentary work.While an initial investigation is already under way, a decision on a more formal probe has yet to be made.” 
 
 「フィヨン氏の選挙運動は次の件につきまとわれている。妻と二人の子供が国会の架空の職に登録され収入を受け取っていたという疑惑であり、フィヨン氏は否定している。これについては予備捜査は始まっており、公式に捜査が行われるかどうかはまだ決まっていない」 
 
  BBCの報道ではフィヨン氏の妻ペネロープさんは2005年から2007年にかけて831,400ユーロ(880,000ドル=およそ9000万円に相当)を架空の職務で受け取っていたと告発されています。今、フランスでは失業者が多いだけでなく、プレカリテと言われる不安定雇用で収入も低い労働者が増えており、もし架空の仕事で年間3000万円近い収入を政治家の妻というだけで受け取っていたとしたら、市民の反感を買うのは当然でしょう。 
http://www.bbc.com/news/world-europe-39010250 
 
 
※オリビエ・エベール(Olivier Hebert 歌手) 
 
政治風刺ソングに「7月14日(パリ祭)」"14 JUILLET"があります。パリ祭の起源は革命だったはずですが、どこか特権の匂いがぷんぷん漂っているサルコジ大統領時代のパリ祭を風刺したものです。 
https://www.youtube.com/watch?v=h2VPpyjMD2Q 
 
 
■政治家の腐敗に反対するパリの市民集会「腐敗政治家を黙認する有権者は共犯だ」”Rassemblement contre la corruption des elus” 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201702201623341 
 
■批判精神に富むフランスのニューウェーブ歌手、オリビエ・エベール氏に聞く Interview : Olivier Hebert 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201701200503035 
 
■フランス人の風刺歌 「7月14日(パリ祭)」   "14 JUILLET" par OLIVIER HEBERT / DESSINS MUZO 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201612201625392 
 
■英Brexit国民投票の裏に英政府=シティ金融勢力の欧州連合「改革」の野望があった  Corporate Europe Observatory  Kenneth Haar (ケネス・ハー) #2 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201702092031124 
 
■ナショナリズムの台頭の真の原因は欧州連合本部にある ロビイ活動を監視するCorporate Europe Observatoryのケネス・ハー氏 Kenneth Haar 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201702070312142 
 
■ブルデューの死から10年 〜欧州を改造した知的傭兵部隊〜 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201201091900351 


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