2017年02月24日13時55分掲載  無料記事
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米国

アムネスティは警告する トランプ米大統領が進める紛争鉱物規制の一時停止は企業の人権侵害を助長

 ランプ米大統領は、紛争鉱物の使用に透明性を義務づける規制措置を一時的に停止する大統領令を検討している。国際人権団体アムネスティは、この措置が実施されればグローバルな人権保護への取り組みを大きく後退させ、無責任な企業を利することになる、と警告している。(大野和興) 
 
 紛争鉱物には、錫、タンタル、タングステン、金などが含まれる。スマートフォンやノートパソコンなど、米国はじで世界中で生産・販売される多くの製品に使用されている。アメリカでは、ドッド・フランク法第1502条によって、米国上場企業に対して、自社製品に使用される鉱物が、コンゴ民主共和国や近隣国の紛争の当事者である武装勢力の資金源になっていないか、その確認を義務付けている。 
 
 同条項は、製品などに使われる鉱物の調達に関する開示を企業に求め、紛争と人権侵害で恩恵を受ける企業を白日の下にさらす役割を果たしている、とアムネスティ国際ニュースは伝えている。 
 
 それによると、紛争鉱物規制は、アフリカ中部における深刻な人権侵害とスマートフォンなど消費者製品とのつながりを断ち切るよいう重要な役割を果たしており、一時停止で喜ぶのは、無責任な企業とコンゴ民主共和国などの国で暴力を振るっている者たちだ、と指摘する。 
 
 この極めて重要な人権保護措置を止めることが、米国の治安を何らかの形で守ることになるというトランプぢ統領の主張は明らかに筋が通らず、紛争鉱物の排除に向けた長年の取り組みを反故にする恐れがある、という。 


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