2017年04月09日19時16分掲載  無料記事
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国際

フランス大統領選 先頭に出た男エマニュエル・マクロン氏(元経済相・元金融マン) その経済政策は?

  フランス大統領選で現在、BVAのアンケート調査でマリーヌ・ルペン候補と並び先頭に出ているのがエマニュエル・マクロン候補だ。オランド政権のマニュエル・バルス内閣で経済大臣を以前勤めていた人物で、もともとは金融界の出身である。社会党からの出馬を避け、自ら「En Marche! (始動!)」という政治グループを立ち上げた。ウェブサイトによれば支持者はすでに20万人に上るともいう。以下は「En Marche! (始動!)」の集会で話しかけるマクロン候補。 
https://en-marche.fr/le-mouvement 
  マクロン氏の経済政策はと言えば、もともと社会党ながら右派のバルス内閣が目指していたネオ・リベラル的な方向と基本的には同じのようだ。そのホームページや、エコー誌のインタビューなどをもとに概略を紹介したい。 
 
 
<マクロン候補の経済政策> 
 
・年間600億ユーロの歳出削減を目標 
 (そのうち250億ユーロは社会保障費の削減。 
  地方自治体の歳出削減と失業給付が100億ユーロずつ、 
  さらに150ユーロの健康保険関連予算を削減する目標) 
 
・法人税率を現行の33.3%から25%へ下げる 
 
・労働時間の週35時間の規制を緩和する 
 
・5年間で500億ユーロを民間に投資する 
 (競争力の促進とエネルギーの転換にそれぞれ150億ユーロずつ投じる) 
 
・失業率を現在の10%から7%に下げる。 
 これにより、失業保険予算を減らす。 
 2回仕事の斡旋を受けて拒否した場合は失業給付を失う 
 
・公務員は採用を減らして定年退職によって自然に数を減らす 
 
 
 細かく見ていくと他にもあるが、基本的には歳出削減を 
 行い、民間企業を活性化させる方向であろう。しかも、 
 去年大きな議論と反対を呼んだ労働法改正を進めたエコノ 
 ミストでもあり、基本的には減税、歳出削減そして規制緩和 
 である。フランスはブリュッセルの欧州連合本部から財政 
 健全化と競争力の底上げを求められてきたのだ。昨年の 
 労働法改正もそれに沿った措置だった。法人税の引き下げも 
 企業の競争力を増進するためとマクロン候補は歌っている。 
 
 
■エマニュエル・マクロン「わが経済政策」(エコー誌) 
Emmanuel Macron : "Mon projet economique" 
https://www.lesechos.fr/elections/emmanuel-macron/0211826576981-emmanuel-macron-mon-projet-economique-2067359.php#uPRUvrICIC8lrebb. 99 
 
■マクロン氏の「En Marche!」の公式ホームページから経済政策 
https://en-marche.fr/article/emmanuel-macron-notre-projet-economique-efficace-juste-et-credible 


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