2017年08月01日16時50分掲載  無料記事
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アフリカ

【西サハラ最新情報】  モハンマド六世即位18年目のご託宣と波紋、、 平田伊都子

 2017年7月30日、モハンマド六世モロッコ国王即位18年目の演説は、大方の予想どおり、モロッコ北部リーフ地方の反乱と西サハラ領土問題と麻薬を始め荒んできた人心を念頭に、国民の統合と警察力の強さを誇示したものでした。 特に、リーフ地方のアルホセイマで2016年10月28日から続いている<ヒラク>という仇名の反政府運動に焦点を当て、運動阻止ができない臣下の政治家たちを、叱りつけました。 記念式典には北部のリゾートタンジェでバカンス中のサウジアラビア国王も参列したそうですが、カタール・ボイコット問題でサウジアラビア側につかないモロッコに対して、顔で作り笑いをしてもサウジアラビア国王の腹は?、、ムカついているようです。 
 
(1)モハンマド六世、即位18年のご託宣: 
 CORCASコルカス(モロッコ王立サハラ問題諮問評議会)やモロッコ・メデイアが、7月30日、モハンマド六世即位18年目のご託宣を発表した。美辞麗句で飾られた繰り返される長い挨拶や、モロッコの経済的発展や外交成果を称えるお言葉は省いて、要点を紹介する。 
「関係者たち(政治家)に朕は宣告する、、イナフ・イズ・イナフ、、祖国に逆らう奴は、職権を放棄するか公職を退け、、もうたくさんだ。こんな状況がこれ以上続くのは許せない、、」 
「アル・ホセイマを取り上げると、実際のところその地で起こっていること(デモ)は、他の地域では全く見られない。不測の事態が避けられているのは、モロッコ治安警察が火山の頂上に君臨していて、どの家族もどの市民もモロッコ警察が常に見張っているからだ」 
「言う必要もないことだが、西サハラ問題に関して、もはや議論を再開する段階ではない。最優先に実効するのみだ。今日、私が目指しているのは、モロッコ王国全土で開発の行軍をやることだ」 
 
(2)スペインのカナリヤ諸島がモロッコ国王に反発: 
 7月29日の式典前日、モロッコ国王即位18年記念演説の草稿に、カナリヤ諸島の諸政党が、「カナリヤ諸島と西サハラ領海を分断するモロッコ領海の線引きは言語道断だ。このモロッコが独断で引いた領海線の下では、西サハラ領海に向かって100卞發離ナリヤ諸島住民に損害が及ぶ。国際法を無視したモロッコ領海線引きと、モロッコ国王による独断的領土権主張を強く非難する」と、声明を出した。 
 カルメロ・ラミレス国際連帯カナリヤ諸島代表は、「モロッコ領海の線引きは、カナリヤ諸島領海と西サハラ領海に眠っている稀少ヒドロカーボンやテルリウムなどのミネラル       海底資源の略奪も計算に入れている。西サハラ領土と西サハラ領海は国連未確定地域に指定されており、当然その資源は西サハラ住民に属している。モロッコのものではない」と、反発した。 
 
(3)ご託宣に反発する西サハラ難民政府: 
 7月31日、西サハラ難民政府は、「モロッコ国王の即位18年目の記念演説は、西サハラ問題に関して議論の余地などないと、断言している。彼の王国内でも、モロッコ警察の体質に強い非難が国際的国内的に湧き上がっていることを、彼は否定している。そんな国王だから、当然、1975年10月31日以来、西サハラをモロッコが占領しているという事実を否定し、自分のものだと主張しているのだ。国連や国際社会がモロッコ占領を非難し、モロッコ治安警察の西サハラ住民に対する虐待や拷問や不法収監や不法裁判を非難する国際社会に、モロッコ国王は耳をかさないのだ」と、モロッコ国王の即位18年記念演説を非難した。 
 
 MWN (モロッコ・世界ニュース) によると、モハンマド六世国王第18回即位記念に当たり、1,178人の受刑者が恩赦を受けたそうです。 しかし、収監者が100人を超えると言われているリーフ地方の活動家のうち、僅か56人のみしか釈放されませんでした。 ナセル・ゼフザリを始めとする<職よこせデモ>の指導者たちは、テロリストのレッテルを貼られて、獄に繋がれたままです。 
 釈放された人たちの多くは、麻薬関係の犯罪者たちで、実は、この人たちがテロ組織と繋がっているんですよね、、 2017年7月の初めに、西サハラ難民の国境警備隊が西サハラ砂漠で19人のモロッコ・ハシッシュ麻薬密輸グループを捕まえました。 彼らは、マリのアルカイダ系武装グループと組んでいたそうです。 
 写真をご参照ください。(出展MWN、ムスタファ・サルマ 提供) 
 
 
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之    2017年8月1日 
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子 


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