2017年08月03日10時43分掲載  無料記事
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北朝鮮

北朝鮮が嫌いでも・・・交渉急げの声が米国からも

 ならず者の北朝鮮がいくら憎くても腹立たしくても、北朝鮮が望む体制保証などとんでもないと考えても、まずは核・ミサイル開発を凍結させるための交渉を始めるしかない――伊豆見元・東京国際大教授が「朝日」7月30日付でコメントしていたが、米国の有力紙の中からも、トランプ政権に“中国に責任押し付けず、自ら介入を”と「前提条件なし」の直接交渉を求める声が出てきた。 
 
 「北朝鮮のことで大騒ぎは止めて」と題したニューヨーク・タイムズの8月1日付の社説。 
https://www.nytimes.com/2017/08/01/opinion/north-korea-missile-donald-trump.html?ref=opinion 
 こんなことが書いてある――。 
 制裁のみでは答えはでない。トランプは、代理人(中国)を通して問題解決しようとしているが、不可能だ。彼の政権は、自ら、急いで介入すべきだ。米韓が今月、また合同演習を予定しているが、それをやれば北朝鮮は彼らの政権を転覆させる意図の表れと見て、緊張はさらに高まるだろう。 
 ティラーソン国務長官あるいは他の高官を特使としてピョンヤンに送り、交渉の余地を探れ。大統領自身、5月には「正しい条件の下なら」緊張を緩和するため金正恩と会ってもいいと述べていたではないか。 
 ティラーソンが訪朝するだけでも、大きい。中国、ロシア、そして米国の核専門家の一部は、米韓が軍事演習を縮小するかわりに北朝鮮が核とミサイル実験を凍結するという提案を唱えている。 
 トランプ政権は、まず北朝鮮が核開発の放棄に向けた「目に見えるシグナル」を出すよう、条件を出している。しかし、これは交渉の現実的な条件とはならない。北朝鮮の指導者は深い不信感を抱き、核・ミサイル開発を急いでいる。いますぐ必要なのは、開発の進行を止めることだ。会談は前提条件なしで始めるべきだ。 
 北朝鮮の方は話し合いに関心があるだろうか? 米国の専門家によれば、最近も北朝鮮から対話・交渉に関心を示すシグナルが何度も出ている。誰かが北朝鮮の方に行って、聞いてみれば、はっきりするだろう。 
 
 ――破滅的な道である戦争という手段はとれないし、とるべきではない。とすれば、もう「米国や国際社会が選ぶべき道もはっきり」(伊豆見教授)しているのではないか。(西条節夫) 


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