2017年09月09日11時43分掲載  無料記事
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反戦・平和

「シベリア抑留」開始から72年。実態解明急ぎ、国民的な追悼を

シベリア抑留者支援・記録センター通信No.17(2017年7月5日発行) 
 
【日ロ平和条約締結前に、1991年協定改定し、日ロ共同で官民挙げて実態解明・遺骨収集の実施を】 
 戦後72年目の8月を迎えます。1945年8月23日から始まった「シベリア抑留」も72年になります。72年も経って、抑留中に亡くなった方々で身元特定のできていない方々がまだ約1万2千人おられます。 
 先月、出征から74年ぶりに遺骨受け取られた栃木の遺族もおられます。戦闘ではなく、平時に病や飢えで亡くなった日本人捕虜・抑留者の全記録はロシア側にきちんと保存されています。なぜ、実態解明や遺骨収集が進まないのでしょうか? 
 
◆ 厚労省が1093人分のカタカナ名簿を公表 
 4月7日、厚生労働省は1093人の抑留死亡者名簿を新たに発表し、読売新聞と産経新聞は全面でこの名簿を報じました(名簿は厚労省ホームページにも掲載)。昨年も4月に4964人分の名簿が公表されていますが、名簿は今回もすべてカタカナでした。 
 シベリア特措法制定後、厚労省の調査体制が拡充され、情報提供が進んできていることは事実ですが、事件開始から72年を経て、遺族の子供の世代も次々他界する時代に、未解明の課題が山積していることに、遺族らを中心に、焦りと不満の声が高まっています。 
 
◆ 1991年日ソ捕虜・抑留者協定の改定・強化が必要 
 学者らによる研究も最近進んできていますが、ロシアの国内法や日ロの個人情報保護規定が障壁となって、全容解明に向けた研究や調査の進展が阻まれています。 
 史上例を見ない大規模拉致事件の多角的な調査や研究、遺骨や遺品の返還がかくも遅れ、日ロ双方で世代交代が進み、記憶も風化しつつある現状に深刻な危惧を表明します。 
 1991年の「日ソ捕虜・収容所協定」(捕虜収容所に収容されていた者に関する日本国政府とソヴィエト社会主義共和国連邦政府との間の協定)の改定・強化が不可欠と考えます。この25年間の状況の変化と課題を明らかにして、今何をなすべきか十分検討して、戦略的・実効的かつ未来志向的に方法論を提示すべきです。 
 
 以下のような具体的事項が含まれるよう要望します。 
 ー詑峅鯡澄Φ録収集目的の日ロ官民合同委員会の設置 
◆)篩鮹蓮κ菽論彙呂寮鞍・標識の設置 
 資料館整備 
ぁー容所跡や日本人が働いた施設などの標識の設置 
ァ〕淮閏圓琉篶栄福∈遒辰榛酩覆覆匹離螢好蛤鄒・公開・返還 
Αゞ飢塀顱Χ戯爐悗竜述、次世代への継承事業 
А仝Φ羲圓琉蘋・交流促進、研究者への便宜供与 
─(荵屋簑欧悗離咼玉判、墓参・調査旅行への受入体制整備・ガイド育成 
 両政府主催の追悼式典の開催 
 残留者の調査・支援 
 抑留に関する情報提供WEB の共同開設 
 両政府にこれらの事業の総合調整するための統括推進本部の設置 
 
◆ 一方的な協力要請でなく、共同事業としてリセットを 
 安倍政権の対ロ外交は、領土と経済協力だけに熱心で、シベリア抑留に関しては、これだけ首脳会談を重ねながら、何の言及もありません。日ロ間の戦後処理のもうひとつの大きな課題が放置されたままで、失望を禁じえません。 
 新たな残留日本人のことも話題になっています。事件はソ連・モンゴルで起き、資料も現場もロシア側にあるわけですから、ロシア側の主体的な参加なしには、実態解明はできません。実態解明も遺骨収集も追悼事業も、ロシアが日本に「協力」するのではなく、日ロの共同事業として実施すべきです。 
 今年も8月23日に千鳥ヶ淵戦没者墓苑で、抑留犠牲者追悼の集いを、駐日ロシア、モンゴル大使らも招待して開催します。ふるってご参列ください。千鳥ヶ淵まで来られない方も各地で黙祷し、心に刻んでいただけますよう呼びかけます。この歴史と死者たちの無念を子どもや孫にもぜひ語り伝えてください。 
 
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【聴く・知る・学ぶ】 
■ 世田谷区立平和資料館企画展 
「四國五郎展―『おこりじぞう』とシベリア抑留」 
日時:10月1日〜29日(火曜休館)9:00〜17:00 
会場:世田谷区立平和資料館(世田谷区池尻1−5−27 世田谷公園内) 
東急世田谷線・田園都市線「三軒茶屋」駅・「池尻大橋」駅下車徒歩15分 
Tel:03−3414−1530 
内容:広島の作家・四國五郎の絵本『おこりじぞう』の原画やシベリア抑留体験の貴重な画文を展示。 
料金:無料 
 
■ 公開講座「シベリア抑留研究―残された課題・新しい課題への挑戦」 
会場:大阪経済法科大学・東京麻布台セミナーハウス 
受講料:各回千円。 
どなたでも参加できます。予約受付は8月下旬から。 
 
 。隠扱遑横呼(土)14:00 
「四國五郎のシベリア体験を読み解く」 
 講師=四國光(四國五郎氏長男) 
◆。隠鰻遑横菊(土)14:00 
「抑留者が伝えたロシア音楽の系譜」 
 講師=森谷理沙(モスクワ音楽院研究員) 
 12月16日(土)14:00 
「歴史としてのシベリア抑留―ロシア革命まで遡って考える」 
 講師=富田武(成蹊大学名誉教授) 
 
申込・連絡先:大阪経済法科大学アジア太平洋研究センター 
Tel:03−5545−7789 
Fax:5545−7788 
詳細⇒ https://www.keiho-u.ac.jp/academia16/renzoku1.html 
 
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【寄贈資料などの送付先のご案内】 
◆ 資料や図書などを寄贈いただく場合は、下記宛てにお送り下さい。あらかじめご一報いただけると幸いです。 
⇒ 〒106−0041 
 東京都港区麻布台1−11−5 
 大阪経済法科大学・麻布台セミナーハウス702号 
 「抑留問題資料室」 
 Tel:080−5079−5461 
(* 毎週月曜日に資料整理作業をしています) 
 
◆ 第3回「シベリア抑留記録・文化賞」推薦の受付 
 第3回「シベリア抑留記録・文化賞」の推薦(自薦・他薦)は、9月1日から30日です。 
 ふるってご推薦ください。とくに書式はありません。 
 候補者・候補作名と簡単な理由を記して、FaxやEメールでお送りください。 
 賞金は10万円。結果は10月中に発表予定。 
 詳しくは⇒ http://sdcpis.webnode.jp/ 
 
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―捕虜・抑留体験を語り、聞き、書き、描いて、次の世代と世界に伝えよう!― 
 
編集・発行:ソ連による日本人捕虜・抑留被害者支援・記録センター 
住 所:〒162−0823 
    東京都新宿区神楽河岸1−1 セントラルプラザ10階 
    TVACメールボックスNo.69 
Tel:03−3237−0217 
Fax:03−3237−0287 
E-mail:cfrtyo@gmail.com 
URL:http://sdcpis.webnode.jp/ 
郵便振替:00180−3−464926 
「シベリア抑留者支援センター」 
(年会費=3000円、賛助会費=5000円) 
会員・ボランティア募集中! 


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