2017年10月01日13時49分掲載  無料記事
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アフリカ

【西サハラ最新情報】ヘフナーとババサイード、逝く 平田伊都子  

 2017年9月27日、ヘフナー(老衰)とババサイード(病死)が他界されました。 ヘフナー氏はプレイボーイの創設者にして人も羨む女人群の館のご主人で、ババサイードは孤独な砂漠の革命家で、二人は全く関係ありません。 同じ日に死んだだけの繋がりです。 同じ<人>と言う動物に生まれて、こんなにも違う人生を送ることになるんですね、、 しかし、死ぬ時はみんな一人ぽっちです、、ご冥福をお祈りいたします。 
 
(1)ババサイード享年61才: 
 ババ・ムスタファ・サイードは1956年に、サハラ砂漠のテントで生まれた。1948年に生まれ西サハラ独立運動を立ち上げたエルワリ・ムスタファ・サイードの、一番下の弟だ。エルワリと言っても日本では殆ど知る人はいないが、独立を目指す西サハラの人々にとって、41年前に殉教したエルワリは、今も独立運動のカリスマでスーパースターだ。エルワリには長兄、次兄、姉、上の弟、下の弟と、5人兄弟だ。現在残っているのは長兄と上の弟バシールで、夫々、運転手や外交官として難民キャンプで暮らし独立運動を続けている。 
 ババ・サイードは幼いころからエルワリの腰巾着で、1973年にエルワリが独立運動組織ポリサリオ戦線を立ち上げた時、高校を中退し参加しようとした。が、エルワリ兄に怒られ高校を卒業後、参画。が、エルワリ兄は既にモーリタニア正規軍に惨殺された後だった。 
1991年にモロッコとポリサリオ戦線が国連西サハラ住民投票(リフェレンダム)という和平案を受け入れ停戦した後、ババサイードは外交闘争と理論闘争に真価を発揮していく。パリに拠点を置いて、ヨーロッパで西サハラ支援団体を拡大していった。教育の重要性を主張し、若者のための研究施設や夏期大学を創設したのもババサイードだ。 
 
(2)ハデイージャ・アルムフタール(ロイター発): 
 2017年9月9日、西サハラ難民政府外交官のハデイージャ・アルムフタール女史は、南米ペルーの首都リマの空港で入国を拒否され、空港警察に逮捕された。彼女は新ペルー大使として大統領表敬訪問を予定していたのだが、彼女の弁護士によると。外交官ビザが間に合わなかったので、急遽観光ビザで入国しようとしたらしい。逮捕という強硬措置に抗議して、ハデイージャはでハンガーストライキに突入する。ヨーロッパのマスコミが騒ぎ出し、中南米の西サハラ支援団体や弁護団がハデージャの入国妨害はモロッコの仕業だと非難キャンペーンを始めた。ハデイージャのハンガーストライキが20日目に入ろうとした時、突然、リマ空港警察は彼女をスペイン行の飛行機に押し込み、スペインへ強制送還した。ペルー外務省は、「彼女はペルーで外交活動をするつもりだと主張した。が、彼女はスペイン・パスポートを所持し、観光ビザしかもっていなかった。書類不備で入国を禁じた」と、解答した。2017年9月29日金曜日に起こった強制送還事件を巡る外交闘争は、始まったばかりだ。ババサイードが布石を打った外交闘争や法廷闘争が、国際世界を舞台に展開している、、天国からエールを送ってネ! 
 
(3)マラケシュの<ワリの仲間たち>3年から10年の判決、その後: 
 ババサイードが立ち上げた若者組織の一つに<ワリの仲間たち>というのがある。モロッコ占領地・西サハラで独立運動をする学生たちの組織だ。モロッコ国内で活動する学生たちもコッソリ参加している。平和デモに加わった<ワリの仲間たち>は、モロッコの観光地マラケシュにあるアリュアデャ刑務所に収監され、モロッコ当局から迫害や拷問や、ありとあらゆる嫌がらせを受けている。人間らしい扱いも受けてないし、家族と連絡を取る事も許されていない。2017年7月13日には、モロッコ占領裁判所が学生たちの罪を拷問による供述で捏造して、3年から10年の刑を科した。 
 9月27日、モロッコ占領地・西サハラの古都スマラで起こった平和デモに参加したアッバ・シェイク・アッバとアリ・サレム・ブメフディという名の学生2人が、モロッコ占領警察から暴行を受け、護送車に引きずり込まれ連れ去られた。行先は未だに家族にも告げられていない、、 モロッコ占領地・西サハラでは、日常茶飯事のようにデモ参加者たちやヒワ活動家たちの逮捕が続いている。 
 
(4)カサブランカなどのモロッコ刑務所で政治囚がハンガーストライキ: 
 2017年9月末から、カサブランカ、フェズ、タザ、トリルトなど、モロッコで有名な観光地にある刑務所で、政治囚たちが拷問反対や待遇改善を求めてハンガーストライキをやっている。モロッコ当局はハンガーストライキの存在を認めておらず、政治囚たちの名前などは公表されていない。政治囚の家族団体やHRWヒューマン・ライト・ウオッチなどの発表によると、モロッコ北部リーフ地方で起きている<職よこせデモ>で逮捕され収監されたモロッコ人活動家たちのハンガーストライキだそうだ。その数は216人にものぼり、主要メンバーは悪名高いカサブランカのウカチャ刑務所で頑張っている。彼らはモロッコ人政治囚で西サハラ人政治囚ではない。 
 9月28日、マラケシュからイギリスのガーディアン紙のジャーナリストが国外追放された。ジャーナリストのサイード・カマリ・デグハンはマラケシュのメルキュールホテルで、北部モロッコのデモや政治囚に関して反政府活動家たちのインタビューをしていた。突然、私服のモロッコ警官が乗り込んできて彼を拉致し、車で9時間かけてカサブランカ空港に運び追放した。モロッコ文化通信大臣モハンマド・ラーレジュは「彼は観光ビザでモロッコに入り、取材許可なしに仕事をした。取材をしたかったら、取材ビザを取れ」と、うそぶいた。が、そうは言っても大臣殿、モロッコで取材ビザを入手するのは、とても難しいんですよ! 
 
 観光立国モロッコには、ビザなしで入国し観光できます。 但し、取材ビザの取得は非常に困難だし、取材中も取材後も何かと難癖をつけてくるので、ついつい<ビザなし渡航>で撮影し勝ちですが、気をつけましょう。 
 しかし、向こうにしたら大半のジャーナリスは招かざる客で、お邪魔虫なんですもんね。 人の国にお邪魔するんだから、できるだけ謙虚に注意深く行動しましょう、、 
 
 
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之     2017年10月2日 
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子 


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