2017年10月05日08時34分掲載  無料記事
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政治

この期に及んでも「自民VS希望」の対決を売るマスメディア  最初に「踏み絵」を踏まされたのは報道各社

  自民党の安倍政権を延命するために作られたと言っても過言ではない希望の党。その正体は1週間で露呈し、すでに小池党首自身がばれたと思い、隠さなくなった。だが、小池氏は情報の露呈を逆にできるだけ利用しながら、希望の党の売り込みを図っているようだ。ところが、この期に及んでもマスメディアの中には小池新党が反自民党であり、安倍VS小池の対立路線と描いて安倍政権に対して批判的になっていた国民の意識を希望の党に回収しようとしている企業もある。だからこそ、今、それらの新聞・雑誌・TVを市民の手で1つ1つ記録に残してしていくことは今後のメディアの傾向を考える上で土台になるだろう。各社が掲げるこの選挙の構図を見れば各メディアと自民党との距離が如実に見えるからだ。 
 
  中には自民VS希望VS立憲民主党&共産という3極の対立と記している記事もあるが、実際には(自民&希望など)VS(立憲民主党&共産など)という2極の対立構図である。だからこそ、京都で民進党解体に成功した前原氏が反共演説を行っているのだろう。自民党と希望の党は自民党内の二大派閥の争いと見た方がよい。将来、改憲を実現するための連立与党として小池百合子氏を首相にして2党が合併する可能性もある。小池氏の戦略は自民党より少ない議員数でもキャスティングボードを握って、その交渉段階で首相に就くシナリオではなかろうか。自民党にいたのでは首相になれないとみた小池氏の狙いは正しかった。脱「しがらみ」、というのはそういうことである。だが小池氏にとっては自分さえ首相になれれば2党より1党の方がよいはずだ。そして仮にこの選挙で小池氏が立候補しなかったとしても希望の党の候補が当選した選挙区で、議員辞職に伴う補選を行って小池氏が立候補して国会議員に転じる可能性はいつでもあると見てよいだろう。 
 
  安倍首相と同じ日本会議メンバーの小池氏が首相になれば4年の任期中に(つまり2021年までに)自・希連立政権の枠組みで(公明が与党から外れる可能性がある)改憲と緊急事態条項を足がかりに徴兵制の復活や核兵器開発、言論統制(報道・言論には政府の免許・検閲を必要とする免許・検閲制へ)、君主制への移行、反共法、重税、野党の禁止、テロ対策としての拷問の復活、労働組合の解体などを実現するかもしれない。憲法を軽視する政治家が統治すれば支配のためには何でもあり得る、ということなのだ。甚だしい妄想と思う人がいるかもしれないが、全部日本の歴史の中にあったことである。戦争とテロの脅威があるから、今はこうなっても仕方がないし、こうするしかないのだと国民を説得するだろう。小池新党は今回の選挙で脱原発を掲げていたとしても自民との連立交渉の中で脱原発は簡単に政策から落ちてしまう可能性がある。脱原発志向の有権者の票を本質的には原発支持の与党側が取り込むことが狙いだからだ。もしそんな未来が本当に来たとしたら、その時、国民は2017年を振り返ってこう思うだろう。最初に「踏み絵」を踏まされたのは民進党議員じゃなかった。新聞やテレビなどのマスメディアだったのだ、と。 
 
 
南田望洋 
 
 
■金子勝氏(経済学者)「(希望の党の政策)これで、どうして安倍政権と対決できるのか。ほとんど同じだ。」 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201710030849432 
 
■木村結氏(TV報道番組ウォッチャー)「小池氏のことを極右だと思っている国民は殆どいません。テレビ局はその点を報道はしません」 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201710031205422 
 
■田母神俊雄氏 「小池さんも前原さんも日本の左翼つぶしに是非とも頑張って欲しい。」 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201710021009441 
 
■有田芳生・民進党参院議員ら、民進党会長に両院議会総会を4日までに開くことを要求 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201710011828270 
 
■踏み絵をいち早く拒否した沖縄の玉城デニー議員(自由党) 市場に行ったら「久しぶりですね〜 いつも見てますよ〜」と声をかけられた 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201710022300281 
 
■緊急事態条項は「戒厳令」 改憲で韓国、台湾、フィリピンなどの歴史を日本はこれから味わうことができる 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201710052203584 


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