2017年10月07日06時46分掲載  無料記事
http://www.nikkanberita.com/print.cgi?id=201710070646326

政治

小池百合子氏、国政選挙を自民党内の派閥争いに矮小化することに成功  自民=希望2大政党時代が迫る 平成の「関ケ原」”小早川 秀秋”らの寝返りでリベラル派と左派は歴史に残る大敗か

  小池百合子「希望の党」党首は朝日新聞記者に、自民党の石破茂氏や野田聖子氏らは「方向性が同じ友人」だ、という趣旨の記事を書かせることに成功した。小池氏のマスメディアの活用術は立憲民主党よりも巧みだ。まず、タイミングである。 
http://www.asahi.com/articles/ASKB6748XKB6UTIL088.html 
  国民の中に民進党を騙した「狸」の小池百合子氏というイメージが定着しかけた矢先、それを間一髪かわすべく自民党内の安倍に代わる勢力と親しいイメージを売り込み、穏健派の印象にシフトすることに成功したらしいからだ。小池百合子氏は極右であり、安倍氏よりもナショナリストと見られるが、その印象をある程度まで払拭した。さらに自民党内にも好印象を与え、選挙後の連立政権の可能性を示した。また野田聖子氏と同じ「女性」の時代を演出することもできた。タカ派の顔が目立つと、すぐに柔らかい顔を売り出す。きめ細かな演出はTV時代に養った感覚だろう。小池=野田の女性2人を並べることで、枝野=福山の男性2人との差別化を売り込んだ。 
 
  この1〜2日間で風が希望の党に吹き始めた。立憲民主党の中の逡巡や停滞感、政権奪取の意志の弱さがそれを許してしまったのだ。朝日新聞の記事は安倍「自民党」VS小池「希望の党」の2極の対立を決定的に印象付けた。国民の多くはこのストーリーを買う可能性がある。東京都の選挙(知事選、議員選)のパターンである。それは本質的には自民党内の派閥争いなのである。実際、立憲民主党はその少ない候補者数を見ても(せいぜい60人強だ)政権奪取の意志がないように見える。衆議院の総数は465人なのだ。希望の党は少なくとも190人近く擁立した。質がなんであれこの数を見て、国民はやる気=安倍政権と闘う意志を感じるはずだ。60人強ではいくら共闘と言っても最初から負ける気でいると立憲民主党のツイッターのフォロワーじゃない国民は感じるだろう。希望の党の勝利で踏み絵を次に踏まされるのは公務員と国民である。国民には民進党議員のような逃げる場所がない。立憲民主党は国民の願いを置き去りにして同業者の福利厚生団体になろうとしていないだろうか。 
 
 
武者小路龍児 
 
 
※ 小早川秀秋 
 
「関ヶ原の戦いから2年後の慶長7年(1602年)10月18日、秀秋は21歳で急死した。聖護院道澄の残した記録によると上方から帰国の途上で行った鷹狩の最中に体調を崩し、その3日後に死去したと記されている。秀詮のこの早世に関しては、秀秋の裏切りによって討ち死した大谷吉継の祟りによるものとする逸話も残されているが、実際に残されている病歴からは酒色(アルコール依存症)による内臓疾患が死因として最有力となっている」(ウィキペディア) 


Copyright (C) Berita unless otherwise noted.
  • 日刊ベリタに掲載された記事を転載される場合は、有料・無料を問わず、編集部にご連絡ください。ただし、見出しとリード文につきましてはその限りでありません。
  • 印刷媒体向けの記事配信も行っておりますので、記事を利用したい場合は事務局までご連絡下さい。