2017年10月08日10時30分掲載  無料記事
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国際

北朝鮮核実験 揺れる米韓同盟

 9月4日付のThe New York Times は、北朝鮮の核実験への対策を巡り、米韓関係が揺れていると報じた。 
 北朝鮮への更なる制裁を求めるトランプ大統領に対し、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、圧力強化に同意しつつ、対話なしでは核ミサイル実験を制止できないことから、北朝鮮との対話を模索しながら緊張の高まりに対処すると主張している。 
 トランプ大統領は、対話を重視する文大統領の態度を非難し、米韓自由貿易協定からの撤退をちらつかせている。同紙は、アメリカが協定を取り消した場合、国際競争に苦しむ韓国経済は縮小することになると見ている。 
 北の核実験後、米韓両国は、地域の軍拡競争を防ぐために設けられていた弾道重量の制限を外す協定に同意した。今月6月、北朝鮮の大陸間弾道ミサイルの実験では、韓国はアメリカのミサイル防衛システム(THAAD)を用いて対応した。この配備は、文氏の大統領選中の公約から反するものであり、THAADを自国の脅威とみなす中国との関係も悪化している。 
 北朝鮮は、核開発を凍結した場合、その見返りとしてアメリカ軍の朝鮮半島からの撤退を提案し、米韓に楔を打ち込もうとしている。最悪のシナリオとして北朝鮮が韓国を攻撃する可能性もあり、文大統領はアメリカとの外交で難しい局面にさらされていると同紙は報じている。 
〔ND米紙ウィークリーニュース第128号(September 29, 2017)〕 
 
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