2017年10月14日12時33分掲載  無料記事
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政治

自民党・安倍政権に恩を売った小池百合子都知事  戦後最も重要な選挙で野党共闘を粉砕し、最大野党を分断した歴史に名を残す裏の功績者

  今回の一連の合流をめぐる騒動と「希望の党」の失墜で小池百合子党首は得をしたのだろうか、損をしたのだろうか?大失敗と見る人もいるが、大成功と見る人もいる。 
 
  成功という点ではもともと本質的には自民党と思想的に変わらない小池氏にとって、野党共闘をつぶし、最大野党の民進党を分断し、民進党から移ってきた議員たちを一人でも多く落選させることができれば自民党の安倍政権には恩を売ったことになる。冷徹に見れば戦後、最も重要な今回の選挙で与党側に大きな利益を与え、憲法改正への道を固めた小池氏は自民党の安倍政権にとっては危機から救ってくれた最大の貢献者となった。自民党としても公明党に代わる連立政党が生まれれば憲法改正での縛りも取れるから好都合だ。その流れの中で将来、アジア情勢次第では人気が挽回した頃に小池首相が生まれる可能性も十分にある。 
 
  小池氏の行動が成功すれば改憲に成功した後の2020年の東京五輪で安倍首相とともに東京都知事として盛大な儀式を執り行い、世界に戦後民主主義とは異なる日本の形を示すだろう。小池氏が首相になるチャンスはまだまだある。民進党党首の前原氏は小池氏をアシストした野党側の政治家として日本現代史に名を残すだろう。前原氏に匹敵する歴史上の人物は小早川秀秋くらいである。前原氏に政治家として残された道はもうその方向しかないのかもしれない。今後前原氏は何が起きても全部「想定内」だと言って開き直って政治を進めていけば人気が出るかもしれない。3か月前のことを簡単に忘れる日本人だとしたら、3年前のことなどは古代史のようなものだ。 
 
  だが、今回の選挙で有権者がどう判断するか、まだ選挙戦は始まったばかりだ。風次第で大きな変化が生まれる。風を起こすのは国民だ。 
 
 
武者小路龍児 


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