2017年10月17日09時37分掲載  無料記事
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政治

石原慎太郎の枝野礼賛は小池「希望」への隠れた応援 そろそろ気がつこう  希望の面々は石原慎太郎の仲間たちだ

  昨年夏の東京都知事選で石原慎太郎が増田寛也候補の支援活動の際に、小池百合子候補のことを「大年増の厚化粧」と呼んだことで、女性たちが小池氏に大量に投票して風を吹かせたことは記憶に新しい。そして増田候補は惨敗した。では、石原氏は小池氏が憎いのか、と言えば石原氏と小池氏は政治観が非常に近いことを忘れるべきではないだろう。石原氏が小池氏を性差別的にいじめることで、本来は鳥越氏に投票してもよさそうな女性を含めた石原氏に反感を持つ人々の票を小池氏に寄せることに成功したのだ。 
 
  そして、今回も「悪役」を買って出た石原氏が枝野氏を応援していることは小池氏への隠れた応援だと考えられる。枝野氏や立憲民主党を応援しているのが石原氏のようなレイシストで性差別主義者である、というイメージを植え付けることで立憲民主党のイメ―ジに泥を塗り、小池新党への応援を呼びかけているのである。 
 
  小池新党「希望の党」の長島昭久が石原慎太郎の息子と友達で、石原慎太郎一家と家族的なつきあいをしていた政治家であることを思い出すべきだ。石原慎太郎は民進党の右派グループと人脈的には裏でつながっていたのである。民主党・野田政権で起きた尖閣諸島をめぐる緊張の高まりも石原氏と野田氏の連携によるものだ。これが中国との関係悪化となり、今の自民党・安倍政権は日中の対立関係の最大の受益者となった。野田氏、前原氏、石原氏、小池氏と言った改憲派の面々はみな党外から自民党を盛り立てる別動隊と見てよいだろう。 
 
  その民進党右派グループが希望の党に籍を変えたことこそ、石原氏が希望の党志向であると考えられる理由である。前原氏や長島氏らの動向はそれと同じ方向性を持った政治的情念なのである。その背後には巨額の資金力と情報力、人脈、政治力を持つ米国務省と国防総省があるのだ。日本の野党第一党を粉砕することは民主党政権を終わらせ、勝てない政党にしたのと同じくらい簡単なことだった。そのことが今回の選挙の教訓だろう。 
 
  日本人はこのような策略に陥れられるほど愚かな国民なのか。 
 
 
南田望洋 


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