2017年10月19日03時32分掲載  無料記事
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検証・メディア

岩上安身(IWJ代表)「まさか自らの手で検証も総括もせずにスルー、なんてことないよね?週刊文春」 あの人物が書いた「韓国軍に慰安婦」記事の信憑性に週刊新潮で疑惑がつきつけられる

  元TBSのワシントン支局長にレイプされたと告発してきた伊藤詩織さんが「Black Box 」というタイトルの本を世に出すという。この本は逮捕が直前になって圧力でストップがかかったり、検察審査会が起訴しない方針を追認するなど、司法がおかしいことを自らの体験を込めて告発する本のようだ。元TBSのワシントン支局長は検察審査会のシロ判定が出た直後に、今後自分のことを詩織さんの言い分を一方的に垂れ流してレイプ犯のように報じるメディアには訴訟も辞さないという強い姿勢を見せた。 
 
  ところが、ここに来て、この元TBSワシントン支局長がスクープしたとされる「韓国軍に慰安婦」という週刊文春の特ダネ記事の信憑性に疑問が突き付けられる事態になっている。疑惑を報じたのはライバル雑誌の週刊新潮だった。これを受けて独立映像メディアのIWJ代表の岩上安身氏はツイッターでこう述べた。 
 
岩上安身 「ライバル誌の週刊新潮にここまで暴かれて、まさか自らの手で検証も総括もせずにスルー、なんてことないよね?週刊文春。それができなかったら、もう看板下ろした方がいい。」 
 
  TBS元ワシントン支局長はジャーナリストであり、犯罪とは無縁だというのだから、隠れるのを辞めて堂々とこれらについて自らの主張を書いたらどうなのか?しかも、この人物は世界中で安倍首相に最も身近なジャーナリストの一人なのだ。元TBSワシントン支局長には安倍首相を描いた「総理」や「暗闘」などの書籍が安倍首相寄りの出版社、幻冬舎から出されている。 
 
  ところで岩上氏はさらにこうツイッターに書いた。 
 
岩上安身 「極めて興味深いのは、山口にレイプされたと告発した伊藤詩織さんの手記を単行本として出版した版元が文藝春秋だということ。新潮対文春の構図のようで、文藝春秋内部でも、週刊文春対書籍編集部の対立構図に。」 
 
  これは極めて興味深い事態だ。出版社もヘッジファンドのようにどちらが勝ってもいいように、リスク対策を始めたのかもしれない。それとも儲かるなら何でもよいのだろうか。だが、国民が知りたがるものを権力を気にせず出すことは健全なことなのだ。それで儲かり、さらによい記事や本が競って出るなら、それが資本主義の健全な推進力なのである。 
 
  第二次安倍政権の前の日本の言論界にはそうした資本主義の活力があった。これは国民の福祉や権利や自由を重視するリベラリズムの資本主義である。一方、前原、安倍、小池百合子といった政治家は本質的に統制が好きな体質である。思想や言論の自由を尊重しない政治家が国家を支配すれば日本は旧ソ連や朴正熙時代の韓国、ピノチェット将軍のチリのようになる。言論の自由を統制した経済には限界がある。経済発展段階の低い国でしか通用しない。情報化時代では国家の自殺行為だろう。産業の基幹部分を抑圧するのだから。さらに戦争に突入して長期化すれば重税になる。 
 
 デイリー新潮 「取材では、山口氏の記事に“安倍総理の援護”を狙った虚報発信の可能性があることも明らかに。10月19日発売の「週刊新潮」にて、本件を詳しく検証した特集記事を掲載する。フィンレイソン氏へのインタビュー動画は19日公開予定。」 
 
  新潮が山口氏の取材と報道を検証した、フィンレイソン氏に新潮がインタビューした動画も発表されるらしい。すさまじい対決になってきた。自民党が選挙で勝とうと勝つまいと真実は追及されるべきだ。 
 
 
河内山武信 


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