2017年11月13日17時43分掲載  無料記事
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アフリカ

【西サハラ最新情報】  バルセロナとマドリッドでスーパービッグ・デモ!

  2017年11月11日、カタルーニャ前閣僚8人の釈放とベルギー滞在中のプチデモン前カタルーニャ州知事以下5人に対する逮捕命令に抗議し、スペインのバルセロナで75万人のカタルーニヤ住民が、スペイン・マドリッド中央政府に超大デモンストレーションで刃向かいました。 同じ日、同じスペインの、こちらはマドリッドで、約1,000人の大デモンストレーションがありました。 75万人に比べたら750分の一ジャン、、と馬鹿にしてはいけません。 被占領地西サハラの人々にとって旧植民地宗主国にたてつくデモンストレーションは、100万倍以上の勇気と覚悟がいるのです。 デモで締めくくった一週間を報告します。 
 
(1)モロッコ国王<1975年官製デモ記念日>ご託宣: 
 2017年11月6日、第42回<グリーンマーチ・1975年モロッコ官製デモ>記念日にモロッコ国王ムハンマド裟な轍爾、「サハラ問題に関して、モロッコの領土権とその中での地方自治州という事を、完全に了承しない限り、解決などありえない」と、ご託宣を下された。つまり、サハラ(モロッコ国王は西サハラをサハラ、もしくはモロッコサハラと呼んでいる) はモロッコの領土で、それを呑まない限り国連が仲介する西サハラとの交渉に応じないと、断言しているのだ。西サハラも西サハラ住民も、西サハラ住民投票も、全く認めようとしていない。 
 
(2)国連報道室「ヌーン・ブリーフィング」: 
 11月7日、国連ヌーン・デイリー・プレス・ブリーフィングで、常連のリー記者が、 
「モロッコ王の演説を聞いたと思う。彼は、モロッコ領土権を完全に了承しなければ西サハラは解決しないと、言っている。一体彼は、何を交渉したいのか??はっきりしない。この演説に対する事務総長、またはケーラー事務総長個人特使の反応を知りたい。もう一点、ケーラー個人特使は西サハラ本土に入ったのか?MINURSO(国連西サハラ住民投票監視団)を視察したのか?」と、質問した。 
 これに対してステファン報道官は、「本土に入ったのかどうか、詳しい訪問地は知らない。が、日程は関係者の間で了承を得ている。王の演説に関して、私はコメントしない。国連安保理はケーラー氏を、事務総長西サハラ個人特使として任命した。MINURSOも同様だ」と、答えた。 
 さらにリー記者が、「西サハラの記者が2度にわたって記者証の要請をした。が、2度とも拒否された。一体、誰が止めているのか? 取材の自由が国連にはないのか?」と、突っ込むと、ステファン報道官は、「調べておく」と、逃げた。 
 
(3)バルセロナ75万人デモンストレーション: 
 11月11日、スペインのバルセロナで、警察発表で75万人のカタルーニャ住民がマドリッド中央政府によって拘束された8人の前カタルーニャ州閣僚と政治団体指導者二人の釈放を要求する大デモンストレーションを挙行した。主催者の発表によるとデモ参加者は100万人を超え、日が暮れてもカタルーニャ全州から集まった住民は去らず、イベントと集会が続き、チェロ奏者によるカタルーニャ伝統のクリスマスキャロル(クリスマスソング)がバルセロナを包んでいった。かくして、「カタルーニヤ共和国万歳!」、「我らに自由を!」「プチデモンを大統領に!」といった熱いシュプレヒコールは、地中海から世界中に広がっていった。 
 一方、マドリッド中央政府は、問題は単純な法廷処置だとして、カタルーニャ前閣僚たちの釈放に応じる兆しを全くみせていない。BBC英国TVは、「政治家や活動家の拘束は政治的勝利には繋がらない。むしろ収監者たちの人気を高めるだけだ」と伝えた。 
 
(4)マドリッド1,000人デモンストレーション: 
 11月11日、スペインのマドリッドで、スペインに住む西サハラ人と西サハラ支援者たちが、民族自決権で保障された国連西サハラ住民投票の早期実施を促すデモンストレーションを行った。デモ参加者たちは<民族自決権を求める西サハラの人々に平和を>とか<モロッコ占領地・西サハラ住民に正当な生きる権利を>と書いた横断幕を掲げ、西サハラ国旗を振ってマドリッドの大通りを行進した。彼らは又、「モロッコの西サハラ住民に対する迫害を止めろ!」とか「スペインは植民地を放り出した責任を取れ!」などと、シュプレヒコールを上げた。42年前の1975年11月14日に、スペイン王政はモロッコとモーリタニアとの三国間でマドリッド秘密条約を結び、国連にも国際司法裁判所にも、西サハラ住民にも内緒で西サハラ北部をモロッコに、西サハラの南をモーリタニアに分譲したのだった。その代償としてスペイン王政はリン鉱石鉱山の利権を35%、西サハラ北領海の漁業権を手に入れ、西サハラ植民地を放り出した。実は、30年以上にわたってスペインを独裁支配していたフランコ将軍が危篤に陥り国内が内戦寸前にあり、西サハラ・ゲリラに手を焼いていたスペイン王政は、チャンスとばかり西サハラ植民地というお荷物を排除したのだった。 
 
 カタルーニヤ民族独立運動と西サハラ民族独立運動の立ち位置は違います。 カタルーニャ独立運動はスペインのカタルーニヤ州住民自らが住民投票を自主的に行って、独立をスペイン・マドリッド中央政府に認めさせようとするものです。 一方、西サハラ独立運動は国連が提案した国連西サハラ住民投票の実施を求めています。 それは、国連主催の住民投票を来年2018年に確定させたニューカレドニア独立運動に似ています。 しかし、いずれの独立運動も、奪われた民族自決権を取り戻そうとする、高邁な独立精神に裏付けられています。 
 故郷を失った人々の魂の高揚に、私たち日本の住民はオドオドするばかりです、、 
 
 
WSJPO 西サハラ政府・日本代表事務所 所長:川名敏之     2017年11月13日 
SJJA(サハラ・ジャパン・ジャーナリスト・アソシエーション)代表:平田伊都子 


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