2018年02月19日14時12分掲載  無料記事
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農と食

ドイツ大連立協定 グリホサート禁止を盛り込む

 2月7日に協議が成立したドイツのキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と社会民主党(SPD)の大連立交渉は、除草剤グリホサートのドイツ国内での原則禁止で合意した。体系的な最小化戦略により、グリホサートを含む農薬の使用を大幅に制限し、可能な限り迅速に使用を終了させることを目標としているという。グリホサートの禁止については、昨年11月の予備交渉において合意されていた。この連立合意は、社会民主党の党員投票で賛成が得られて成立することになる。(有機農業ニュースクリップ) 
 
 グリホサート禁止に関して、社会民主党は4年での禁止を求めているという。農業分野での合意事項には、有機農業の拡大、遺伝子組み換え作物の栽培禁止、動植物への特許への反対、食品への動物クローニングを認めないなどが含まれているという。また、高度の動物福祉に準じた食肉に「動物福祉ラベル」を導入も盛り込まれた。 
 
 ・Reuters, 2018-2-8 
  German coalition deal sets no timetable to end glyphosate use 
  https://www.reuters.com/article/us-germany-politics-glyphosate/german-coalition-deal-sets-no-timetable-to-end-glyphosate-use-idUSKBN1FR2GH 
 
 ・DW, 2018-2-7 
  Germany's Angela Merkel finally reaches coalition deal with SPD 
  http://www.dw.com/en/germanys-angela-merkel-finally-reaches-coalition-deal-with-spd/a-42459353 
 
 農業相のポストはこれまで通りキリスト教民主・社会同盟に割り当てられるという。ドイツは、昨年12月のEU委員会でのグリホサート登録延長に関する投票で、これまでの棄権から賛成に転じた。この投票では、ヘンドリックス環境相(社会民主党)の反対にもかかわらず、シュミット農業相(キリスト教社会同盟(CSU))が独断で賛成票を投じたとして非難され、市民による罷免を求める署名運動も展開されていた。 
 
 この合意により連立政権がなった場合、現在EUで一時使用禁止となっている3種類のネオニコ系農薬の禁止がより現実的になってくる。連立合意に従い、ドイツがネオニコ系農薬の禁止に賛成した場合、フランス、イタリア、英国が禁止賛成に回われば、その人口比は60.4%であり、決定に必要な特定多数の人口要件65%をほぼ満足することになる。禁止の決定には、さらに他の11か国の賛成が必要となる。 
 
【関連記事】 
 ・No.881 ドイツ大連立予備交渉 GM作物とグリホサートの禁止で合意 
  http://organic-newsclip.info/log/2018/18010881-1.html 


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