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特集

農と食




ここでは60代は若者なんです
  カンボジアでNGOスタッフとして村づくりに活動している女性を埼玉県秩父の山の集落に案内した。国際協力NGOである日本国際ボランティアセンター(JVC)のカンボジア現地スタッフのサム・ネアリーさんだ。(大野和興)(2010/04/19)


地豆物語(序)〜在来種の豆を守る〜 松平尚也
  植物分類学上のマメ科に属する穀物「豆」。世界のマメ科植物は約18000種に及ぶが、食用向けはおおよそ70種程度 と言われる。このうち日本市場で流通している主な豆は主に6つの属に分類される。あずきやささげなどのササゲ属、金時や手亡そしてべにばないんげんなどのインゲン属、そしてソラマメ・ダイズ・エンドウ・ラッカセイ属だ。日本ではさらに地豆と言われる、各地方でその土地に合った豆が種を継ぎ育てられてきた。(2010/03/19)


安売り競争で壊れるのは農と食、そして健康だ  佐久間智子
  食と衣がデフレスパイラルの先頭を走っている。いまやニッキュッパ弁当さえ高いといわれるようになった。私たちのくらしに欠かせない部門がこうして崩れていく。なぜなら、安売りのしわ寄せは、そこで働く労働者と材料を提供する納入業者、それを生産する農家へと転化されていくからだ。こうして食の崩れはめぐりめぐって消費者の健康に跳ね返る。(2009/12/24)


<現代史のなかの農業>(12) グローバリズムの嵐のなかで  大野和興
  ガット(貿易と関税の一般協定、前号参照)の最後の交渉であるウルグアイ・ラウンドで農業分野の合意が成立するのは1993年12月15日であった。この結果、日本はコメを除く全ての農産物について、関税以外に輸入を制限するものはなくなった。(2009/12/18)


なぜ米国は穀物大量消費のバイオ燃料にこだわり続けるのか  COP15を機会に考える  佐久間智子
  温暖化対策の切り札として登場しバイオ燃料だったが、2008年食料危機を経て、一時のブームは去ったかに見える。だが米国は依然としてバイオ燃料計画にだわり続けている。コペンハーゲンで開かれている気候変動会議(COP15)を機会に、バイオ燃料をめぐる先進諸国の動きを追ってみた。(2009/12/09)


<現代史の中の農業>(11)  冷戦が終わり世界市場が出現した  大野和興
  1989年、東西冷戦の象徴ともいえるベルリンの壁が崩れ、戦後世界が大きく転換する。これでやっと軍拡競争が終わり、世界に平和と安定が来る、多くの人がそう思った。だが現実には、世界各地でさまざまの紛争が頻発、世界は違った意味で混乱の時代に入った。その背後にあったのは、世界中がひとつのマーケットとなり、経済のグローバル化が急速に進む現実であった。(2009/12/07)


<現代史の中の農業>(10)  席巻する市場原理主義 大野和興
  ぼくは新自由主義三人衆と呼んでいる。1979年にイギリス首相になったサッチャー、81年にアメリカ大統領になったレーガン、82年に日本の首相の座に着いた中曽根康弘−の三人だ。 いずれもやったことは共通している。小さな政府を掲げ、福祉や教育をはじめとして、公共のものと考えられていた暮らしのセーフティーネットを解体し、私企業に譲り渡していったことである。その背後には、市場競争こそがもっとも効率的で合理的な社会をつくるという経済思想があった。(2009/11/25)


<現代史の中の農業>(9) 減反はじまる  大野和興
  あの頃は農民運動も元気があった、と、懐かしさともに思い出す。農協が減反を受け入れたことに起こった農民が、東京・大手町の農協ビル(現JAビル)に押しかけ、9階の大ホールを占拠して農協組織の司令塔である全国農協中央会の宮脇朝男会長を相手に大衆団交を行った。1969年のことである。(2009/11/21)


タイ政府、外資の農業参入を制限  食料開発は国家がやる    
  将来の食料不足が見込まれるなかで、産油国や新興経済国、多国籍企業などによる途上国への農業投資や土地取得が広がっている。農産物の大輸出国であるタイでも産油国からの農業投資が進んでいるが、タイ政府は農業を外資に開放する考えがないことを強調、国家安全保障上からも外資が過半出資する農業ビジネスは認めないとしている。これはタイ最大のアグリビジネスであるチャルーン・ポーカパン(CP)グループがバーレーンのイスラム銀行アル・サラムと共同で農業や食品関連ビジネスに投資する方針を打ち出したことなどを受けてのものだ。(日刊ベリタ編集部)(2009/11/20)


<現代史の中の農業>(8) 農業近代化と食の安全  大野和興
  1960年代に入り、急速な成長の軌跡に乗った日本経済を支える役割が、農業部門に課せられた。それは次の三つの要請から成り立っていた。一つは、これが一番重要なのだが、安い労働力を工業部門に供給すること。第二が土地・水といった資源を農村から都市、農業から工業に移転すること。第三は食料を安く消費者に届けること。(2009/11/15)


【戦後史のなかの農業】第7回  高度経済成長の時代  大野和興 
  1960年代、日本は驚異の経済成長を遂げる。高度経済成長と表現されたこの過程で、日本社会は大きく変貌する。都市のあり方、家族の形、食、住まい、交通などなど、それまでの“日本”が一変するほどの変わりようだった。当然農業も農村も大きく変わった。(2009/11/06)


ある日突然土地が囲い込まれ、外国企業のプランテーションに  カンボジアの農村で活動するJVC山崎勝さんに聞く
 いまアジア、アフリカ諸国で多国籍企業や産油国、食料不足国などによる農地の買い占めが進んでいる。そこに代々住み、耕して地域の人々の食料を作ってきた小農民が土地た水など地域の資源から引きはがされ,都市に流出と行った事態も目立ち,国連食料農業機構(FAO)も「新植民地主義」と警告を発するほどだ。そうした実態の一端を、日本の国際協力NGO、日本国際ボランティアセンター(JVC)のカンボジア事務所代表としてカンボジアの農村で活動する山崎勝さんに聞いた。(聞き手:大野和興)(2009/11/01)


いまだ、“キング”になれない日本の“ライス  シネマ『キング・コーン』に見る“米国の<CORN>徹底活用戦略“に学ぶライスの未来    塩谷哲夫 
  5月のゴールデン・ウイークの4日、東京渋谷の映画館「イメージ・フォーラム」でアーロン・ウルフ監督・製作の映画『キング・コーン』(2007年,アメリカ)を観た。「コーン(CORN)」とは“トウモロコシ”のことであり、サブタイトルは「世界をつくる魔法の一粒」であった。物語は、大学生のイアンとカートの二人が、これから社会人になるにあたり、「自分たちの食生活を見直してみたい」と、米国最大のコーンベルト地帯のど真ん中、アイオワ州に1エーカー(約40アール)の農地を借りて、アメリカの最もメジャーな作物コーンを栽培し、作られたトウモロコシがどこに出荷され、何に使われるのかを訪ねる旅に出る。そんなドキュメンタリー・タッチのロードムービーのような単純なストーリーなのだが、次々に出会うアメリカの食料・農業システムの驚くべき実態に触れる旅に、いつの間にか私もイアンとカートの後について歩くことになってしまった。(2009/10/31)


【戦後史のなかの農業】第6回  歌は世につれ・・・   大野和興
  昭和でいうと20年代から30年代前半になる。この時代くらい農村が歌に登場する時代はなかったのではないか。1950年、世界史を揺るがす出来事が東アジアで勃発した。朝鮮戦争である。日本の目と鼻の先で起こったこの戦争は日本のあり方を大きく変えた。他国の戦争によって戦争特需にわき、”もはや戦後ではない"時代に突入する。(2009/10/26)


自由貿易の聖域化を超えて  農業政策に国際マニフェストを  大野和興
  ここ二十年、グローバリゼーションの嵐が農業と農村に襲いかかり、農産物価格の下落と農村雇用の縮小 というかたちでむらのくらしを直撃した。それは、都市における雇用の不安定化と賃金切り下げといった状況と同じ根っこをもつ新しい貧困とでもよぶべきものである。今回の政権交代劇の背景に、この農村の疲弊があったことは間違いない。農村の困窮化は農村票の反乱となって、これまで農村を地盤としていた自民党をゆるがした。2007年の参院選で地方の一人区で自民党が軒並み議席を失ったことは記憶に新しい。参院における与野党逆転は、人びとに今回の政権交代選の到来を予感させるに十分だった。今回の総選挙でも、農村票がどう動くかが選挙の見どころのひとつであった。そして農村県で自民党が議席をすべて失うところさえ出てきた。こうして農業と農村をどうするかが、重大な政治課題として改めて浮かび上がってきた。その課題を解くには、今世界を巻き込んで進む自由貿易に対峙して国内農業をどう扱うかということにについて、答えを用意しなければならない。(2009/10/23)


米国政府・企業群の周到な非軍事的世界制覇の企み(下) Engdahl 『Seeds of Destruction』より
 以上、「Seeds of Destruction」という書物の内容の主要部分を、他のデータや文献の知見も加えて簡単に紹介した。最後に筆者のこの問題への考えの一端(自然からの反抗)を述べる。他にも多々の問題があるが、それは別の機会に。(バンクーバー=落合栄一郎)(2009/10/22)

米国政府・企業群の周到な非軍事的世界制覇の企み(中) Engdahl『Seeds of Destruction』より
  農業とか畜産という生き物を扱う産業は、生き物をなるべく自然条件に近い形で生育・飼育してきた─例えば、放牧であり、鶏の放し飼いである。しかし、ビジネス的観点からすると、こうした方式は非常に効率が低い。効率とは、投資額に対する生産量、単位面積当たりの生産量などの指標で表す。ここにはエネルギー効率、生産物の質の問題などは考慮に入れられていない。また、量的効率を目的にするため、機械依存の大規模な単一作物の生産になりがちであるし、石油などのエネルギー依存度が高くなる。単一栽培(モノカルチャー)は生態系の安定化条件に反し、気候変動や天敵などにより絶滅の可能性が高い。(バンクーバー=落合栄一郎)(2009/10/19)

築地市場移転中止に動き出した都議会
  2009年9月8日、東京・文京シピックホールにて、「いまこそ築地市場の存続と再整備を!・豊洲新市場計画の中止を求める市民集会」が、日消連や「市場を考える会」のほか9団体で構成された実行委員会によって開催されました。この集会は、09年7月12日の都議選後初めて開かれる議会に合わせ、築地市場移転反対を掲げ第一党に躍進した民主党をはじめ、各会派から今後の取り組みを聞こうと企画されたものです。当日は市民150人に加え、多数の都議が集まりました。(『消費者リポート』特約)(2009/10/18)


米国政府・企業群の周到な非軍事的世界制覇の企み(上) Engdahl『Seeds of Destruction』より
  これは、「Seeds of Destruction」(「破壊の種々な種子」、F. William Engdahl著, 2007, Global Research)の紹介である。筆者自身はここに記述されている個々の情報の正確度を調べる余裕も検証する手段も持ち合わせていないが、原著者は、情報の根源の正確さを確かめているものと考える。この書から得られる印象は、アメリカの少数のエリート達と彼らが関係する企業群が、世界を支配しようとする野望を完成しつつあるというものである。この書物は、アメリカ政府・企業群はすでに核兵器を必要としない程度に、世界市民の生命を左右しうる体制を築きつつあるらしいことを示唆している。(バンクーバー・落合栄一郎)(2009/10/17)


【戦後史のなかの農業】第5回 米国世界戦略に組み込まれた日本農業  大野和興
  飢餓から始まった日本の戦後にとって、食糧増産は最重要な緊急課題だった。政府は手厚い食糧増産予算を組んだ。1953年度においてさえ、政府予算に占める農林予算の割合は16%に及んでいる。当時村は、戦争に駆り出されて故郷に戻ってきた若者たち、参政権を得て社会活動に向け一歩を踏み出した女性たちが活発に活動し、人が満ち溢れていた。青年団活動が活発で、芝居や音楽のサークルが生まれ、民主化運動に一環として、旧来の家と家との結婚を否定して、仲間で祝いあう公民館結婚式が盛んに行われた。村は輝いていた。(2009/10/16)


【現代史のなかの農業】第4回  耕すものに土地を!  大野和興
  敗戦の日本を民主化の波が覆った。そこには無謀な戦争を起こして、沢山の人びとを苦しみに追いやった原因の根を絶とうという意図があった。占領軍(連合軍総司令部GHQ)による上からの改革だったが、それだけではなく、そこには人々の強い希望と支持があった。 (2009/10/11)


【現代史のなかの農業】第3回 戦後は飢餓ではじまった 大野和興 
  焼け跡の街に「赤いリンゴにくちびるよせて」と歌う並木路子の明るい歌声が流れ、戦争で疲れ果てた々の心を慰めていた。しかし実際には、リンゴを食べることはおろか、見ることさえかなわない日々であった。(2009/10/07)


【現代史のなかの農業】第2回 作る自由を奪った戦争 国家総動員体制のもとで  大野和興
  2002年5月、有事法制が国会に出され、さまざまな人が反対に立ち上がっていた。ぼくもいたたまれない気持ちで、連休中の一夜をさいて『戦争に食料と土地・水を渡さない百姓宣言を書き上げた。有事法制として国会にかかっている法案は、戦前の国家総動員法そのものだったからだ。(2009/09/28)


【現代史のなかの農業】 第1回 植民地支配とコメ  「土地もコメも強奪した」  大野和興
  農業と村がまるで根腐れを起こした木のように朽ち果てようとしている。いまこの列島の農業を支える人びとの主力は70歳代。何百年続いた村が次々消え、代々耕してきた農地は耕作放棄されて、山に戻っている。それはまるでこの国をおおう状況の象徴のようだ。その背後にあるのは、地球の隅々まで市場競争で多い尽くそうとするグローバリゼーションである。ということは、同じ状況が世界的にも起こっているということだ。地域に根付いて営まれてきた家族で耕す農業が、効率的で大規模な企業的農業に駆逐されようとしている。いったいなぜ、こんなことになってしまったのか、この先の希望を私たちはどうつくっていけばよいのか。農の戦後史を追いながらそのことを考えてみたい。まず前史からはじめる。(2009/09/23)


世界農地争奪戦 〜食料への権利を考える〜(下)  争奪される側からの視点を  松平尚也 
  世界の農地争奪戦に日本も参戦しようとしている。そのモデルを日本向け大豆産地づくりを進めたブラジル・セラード開発に求める。だがセラードでは過剰開発で生態系の破壊が問題となり、現地NGOなどから批判が出ている。争奪される側の生存の権利はどうなるのか。「食料への権利」の概念から農と食の在り方を再照射する。(2009/08/26)


世界農地争奪戦〜食料への権利を考える〜(上) 狙われる貧しい国の農地  松平尚也  
  世界で食料やバイオ燃料を生産するために途上国の農地を取得する動きが急拡大している。大きなきっかけは昨年起こった食料危機だ。主要食料価格が高騰し、中米やアフリカでは食料暴動が発生した。中東産油国や中国、韓国、日本などの食料輸入国は、輸出国が自国のために食料輸出を規制したことで、食料を輸入できない事態を経験。安定的に輸入できるよう海外農地の購入やリースに乗り出した。さらに中国や欧米が中心となって石油の代替燃料として注目を集めるバイオ燃料作物のための農地の確保も急増。世界農地争奪戦とも言われるような事態が進行している。(2009/08/25)


《農業労働現場の実情》(下) 農業ブームの陰に隠された低所得・重労働・労災多発の世界 新規参入者は次々辞め、穴埋めで酷使される外国人研修生  松平尚也
  農業人口の7割が65歳以上と高齢化が現実化している日本の農業現場。自作農が自然に減少する中で増えているのが農業生産法人と農業雇用者だ。特に非農家出身の人々には、雇用という形態が参加しやすいようで、ここ15年で農業雇用者は10万人ほど増え、農業就業者全体に占める割合が1割にまで上昇している。しかしこれまでは農業生産法人などが人材を募集してもなかなか見つからず、採用できても長続きしないパターンが続いてきた。その需給ギャップを埋めてきたのは、途上国から来日した外国人や外国人研修・実習生だ。(2009/08/19)


《農業労働現場の実情》(上) 農業ブームの陰に隠された低所得・重労働・労災多発の世界 松平尚也
  新規就農や市民農園、農業ビジネスや農業が何かと話題になっている。農業ブームとも言われる現象の中で、今や農業はファッションやライフスタイルの一部として新たな展開を見せ始めた。しかしその一方で農村や農業の現場ではいまだ人手・後継者不足が続いている。そもそも何故、農業など第一次産業の現場には人が集まってこなかったのか? これまでは誰が担ってきたのか?その実情を調べてみた。浮かび上がったのは低所得・重労働の世界であり、せっかくの新規就農者や農業法人への新入従業員も次々やめていく実態だ。(2009/08/18)


”農ギャル”現象の裏側で何が進んでいるか  農業と村をもてあそび、失業と過剰資本のはけ口に
  なんだか気持ち悪いことになっている。いま手元にあるのは朝日新聞社発行の週刊誌『AERA』の5月18日号である。この号の特集は二本。一本が「農業バブルがくる」、もう一本が「サブプライムED激増」。この取り合わせは実に絶妙だなあ、と妙に感心する。米国のサブプライム破綻に端を発し、100年に一度といわれる恐慌が吹き荒れるなかで、職場から排除された労働者の行き先は農林業だともてはやされ、政府・自治体の補助金が大量に注ぎ込まれる。それを巨大広告代理店が仕切り、テレビでは”農ギャル”なる珍奇な素人タレントが動き回っている。(大野和興)(2009/08/06)


大転換する農地制度  国会審議中の農地法改正案で何が起こるか
  自民、公明、民主三党の共同修正によって5月6日に衆院を通過した農地法改正案は、現在参議院で審議されており、今国会で成立の見通しとなった。第二次大戦における日本の敗戦を受けて制定され、戦後農政の象徴的存在だった農地法は、今回の改正によってにその性質を大きく変える。それは、戦後の農業の枠組みを規定してきた自作農体制の解体が進み、農業の資本による統合と再編が始まることを意味している。そこで、今回の後法改正の意味を、いまの農地の所有と利用のあり方がどう変わるのかという視点から検証する。(大野和興)(2009/06/12)


農地が“耕す者”から“儲けを追求する者”に移る  平成の農地改革の意味を読み解く
  政府は今国会に農地法の抜本改正案を提出する。なぜ「抜本」なのかというと、戦後何回もの改正を生き延びてきた農地法の真髄ともいえる「耕作者主義」が削除され、農地に対する農民の権利を規制する方向が強く打ち出されたことである。そのねらいは、農地を農民から資本の側に移転することにある。それは生命の再生産を担う食べものを、安心して託せる仕組みといえるのかどうか。そのことを検証する。(大野和興)(2009/04/08)


生きる権利としての食料主権  ヴィア・カンペシーナの提起から13年
  世界の農民運動のネットワークにヴィア・カンペシーナ(Via Campesina)という組織がある。WTOの前身 GATT(貿易と関税に関する一般協定)が80年代後半から90年代初めにかけて進めた自由貿易交渉ウルグアイ・ラウンドに反対する農民運動を展開、そのネットワークは中南米からヨーロッパ、アフリカ、アジアへと広がっていった。 (2009/03/18)


巨大食品企業の農業参入をどう考えるか  広がる食の格差と農地収奪
  日本の食品小売スーパーの最大手であるイオンとセブン&アイホールディングス(以下セブン&アイ)が農業分野への参入を開始した。一方、農水省はこれまでタブーとされてきた農地借用を自由化し、株式会社の参入を拡大させていくということだ。こうした動きは、農業や農地そして農村にどう影響を与えるのか?現状を追ってみる。(松平尚也)(2009/03/09)


植物工場の野菜は野菜と呼べるのか〜太陽も土もいらないというけれど〜
  農水省が1月から食料・農業・農村基本計画の見直し作業を本格化させている。食料自給率50%引き上げを柱に、担い手育成や農地の確保などについてまとめていく方針だ。自給率向上対策としては、米粉用のコメ生産の引き上げや耕作放棄地再生が目指される。一方で担い手分野においては、民間企業の農業分野参入を促進するため、農地リースの自由化だけではなく、植物工場導入への支援を始めるということだ。一般には聞き慣れないこの植物工場とは何か? そもそも民間企業の農業分野参入は必要なのか? そこでどのような野菜を栽培するのか? その現状を追ってみた。(松平尚也)(2009/03/07)


フェアトレード大豆の貿易はフェアと呼べるのか  松平尚也
  「買い物で世界を救う」「みぢかな国際協力」というわかりやすいキャッチフレーズで日本でも人気上昇中のフェアトレード商品。途上国の生産者と先進国の消費者が対等な関係を結んで取引することを目指すフェアトレード市場が世界中で伸びている。だが、市場規模の拡大につれ、フェアトレードと名がつけば、それでいいのかという疑問符がつくものも中にはまじっている。フェアトレードとは何か。フェアトレードの認証業務を行う国際フェアトレードラベル機構(以下FLO)とFLOジャパンが最近打ち出したフェアトレード大豆商品取り扱い開始に伴う「大豆&豆類のフェアトレード基準」作成の動きを事例に、そのことを考えてみた。(2009/03/05)


タイ政府、レモングラスなどハーブの農業への使用を危険物指定して規制  有機栽培農家らが反発
  タイで政府がレモングラスなどハーブから作る自然農薬や医薬品を危険物に指定、規制を始めたことに有機農業を営む農家や有機農業・安全食品を進める市民団体やNGOなどが反発、「農薬を扱う外資系化学薬品メーカーの権益を保護し、有機農業推進に水をかけるものだ」と抗議の声を上げている。(大野和興)(2009/03/02)


石油漬け農業からいかに脱却するか ”もうひとつの農業”の道をさぐる
  ひところの石油価格の高騰は農業のあり方に新たな問題をつきつけた。現代農業の特徴は、石油なしで成り立たなくなっているということである。小さい面積で効率よく生産することを長年要請されてきた日本の農業はその典型といえる。化学肥料、農薬、大型機械、プラスティックシートなど、どれが欠けても、その日から農業生産活動の継続が困難になる。(大野和興)(2009/01/16)


現代農業技術を問い直す
  農業とはなんだろうとよく考える。種を蒔く、芽が出る、花が咲く、実が実る、取り入れる、この一連の過程で人の行為が中心的にかかわるのは最初の「種を蒔く」ときと最後の「取り入れる」ときだけで、後は自然の力が主人公で、人の行為はそのサポートをしているに過ぎない。こうして農という営みを突き詰めていくと、自然の力にいきつく。そう、農業の生産力とは自然の力なのだ。(大野和興)(2009/01/13)


フィリピンで豚がエボラウイルスに感染 WHOなど専門家チームが調査 感染防止対策図る
 【マニラ新聞特約9日】昨年12月に判明したフィリピンにおけるエボラウイルスレストン株の豚への感染問題で、実態調査をするため来比中の世界保健機関(WHO)など国際機関の専門家チームは8日、ルソン地方ブラカン州パンディ町を訪れ、飼育中の豚への感染が確認された養豚場を視察した。専門家チームは、WHO、国連食糧農業機関(FAO)、世界動物保健機関(OIE)、比厚生、農務両省の専門家で構成。現場の状況把握と感染経路の解明、感染拡大防止策の策定や地元関係者の対応能力構築などを調査目的としている。(2009/01/09)


食の問題の背後に広がる貧困の連鎖
  2008年10月19日に都内明治公園で開かれた「反貧困世直しイッキ」集会に、三里塚の若手農民や都会の貧民青年たちと語らって、「食わせろ!」という分科会を引っさげて参加した。ビラに分科会の趣旨を書かなければならないということになり、3分でこんな文を書きあげた。 (2009/01/09)


小麦高騰で注目!米粉ビジネスの現在(3) 食べくらべてみました、コンビニパンと地産地消パン
  いま話題の米粉製品。これまで農家の米粉用イネの栽培状況と、農業政策上の課題、米粉製品加工と販売の現場について報告してきた。今回は、コンビニで販売されだした米粉パン、産地で生産者グループがかかわって製造・販売している地産地消パンと、さまざまな米粉パンを試食してみた。軽やかさとしっとり感のハーモニーがおいしく、地元農産物も組み合わせて品数も豊富なt地産地消パンはやはりおいしかった。地元の小中学校の給食にも取り入れられている。(みついかよこ)(2008/12/05)

小麦高騰で注目! 米粉ビジネスの現在(2) コメと米粉生産現場からの最新情報
  いまちょっとしたブームになっている米粉とその加工について、前回は政策、食品企業の動向を軸に、コメ利用の新しい用途を開く米粉ビジネスは、コメ消費拡大ひいては日本の食料自給率アップにつながるかを検証した。今回は、コメの生産現場でこの動きをどう受け止め、どのような事業展開をしているかを、埼玉県下の農業生産者集団「中井農産センター」の事例を通して考えて見たい。ここではコメの生産ばかりでなく、さまざまなコメ加工品を作り、地域の商店や消費者とつながって積極的な販売活動を行っている。(文・イラスト みついかよこ)(2008/11/21)

食用ではないバイオ燃料作物「ヤトロファ」、しかし貧しい農民の農地と食料を奪う点ではほかの作物と同じだ
  食用や飼料用のトウモロコシがバイオエタノール原料へと流れたことが世界的な食料高騰の原因の1つといわれる。しからば食用作物でなければよかろうと、バイオディーゼル原料として「ヤトロファ」が脚光を浴びている。食料と競合しないでしかもエコだというからよさそうな気もするが、急速に広がるヤトロファ・プランテーションが農民の耕作地を奪うという、新たな問題を生み出している。(上林裕子)(2008/11/15)


小麦高騰で注目! 米粉ビジネスの現在(1) 政策も後押し、食料自給率アップの切り札となるか
  小麦の国際価格の急騰にともなう小麦製品の値上がりが、家計を直撃している。これまで、貧しい者の主食品、あるいは給料日前の非常食の代表として認知されていたカップ麺・袋ラーメンの値上げで、小麦の高騰を実感した人も多いのではないだろうか。そんな中で、従来の小麦製品にかわる「米粉」製品が注目を浴びている。製粉技術の改良で従来の米粉に比べ大幅に細粒化することが可能となったということも背景にある。コメ過剰に悩む農業界や政策当局もコメ消費拡大の切り札になると期待を高めている。近年の米粉製品をめぐる事情を、東京農業大学の農業経営学研究室が、学園祭「収穫祭」において報告した事例を参考に紹介しよう。(みついかよこ)(2008/11/14)


食料よりバイオ燃料を優先 タイ政府、相変わらずバイオ燃料振興政策を堅持
  世界的な食料高騰に見舞われた後も、タイ政府はバイオ燃料用作物の作付けを優先する政策を緩めていない。その結果、コメ生産や大事な輸出用商品の原料作物であるサトウキビの生産に影響が出てきている。(大野和興)(2008/11/04)


メラミン汚染牛乳がグローバルブランドの実態を暴いた 消費者は信頼できるローカルブランドを失い、労働者はリストラに直面
  国際食品労連は世界中を動き回るメラミン牛乳は、寡占化した多国籍食品資本のグローバルブランドがもたらしたものだと警告を発している。食品が一握りの多国籍化した巨大資本に握られることで、原料も製造過程も安全管理も外からは見えなくなっている実態を直視すべきだというのだ。国際食品労連は食品飲料製造、ホテル・レストラン・観光、農業労働者などを組織する国際産業別組織で、120カ国、336組織、1200万名が加盟している。(大野和興)(2008/10/25)








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