2018年03月13日22時37分掲載  無料記事
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検証・メディア

NHK経営委員長・石原進(元日本会議名誉顧問)氏と安倍政権の関係  NHKは森友問題をどう報じてきたのか

  NHKが政府に極度の迎合を行うようになったのは2012年末の安倍政権誕生以後だが、その象徴が「政府が右と言うものを左と言うわけにはいかない」と言ってのけた籾井勝人会長だった。籾井氏がNHK会長に就任したのは2014年1月である。籾井氏はジャーナリズムはまったくの素人だったが、NHKはこれ以後、政府が右と言うものは右と言う報道機関に変わっていった。NHKの異常を問題視する市民からの強い批判を受けてきた籾井会長は2017年1月に会長を退任した。籾井氏を会長に推薦したのが石原進氏だった。 
http://webronza.asahi.com/national/articles/2013122600006.html 
  (籾井氏は)「2013年12月20日に、仕事上の繋がりのあった石原進経営委員の推薦を受け、NHK経営委員会で第21代会長に選出され、2014年1月25日に就任した。」(ウィキペディア) 
https://www.nhk.or.jp/keiei-iinkai/member/m_ishihara.html 
  石原進氏は籾井氏を会長に推薦した2013年12月当時、NHKの経営委員だったのだ。その後、2016年6月末にはNHK経営委員長になり、現在もつとめている。経営委員長は会長ほどにはメディアの脚光を浴びにくい存在だが、NHKを支配する絶大な権力者である。放送局の中で恐らく最も霞が関に近いメンタリティの放送局がNHKである。NHKのような官僚型組織ではトップの発言はこだまのように局内を反響し、様々な人々が金太郎飴のようにある日、突然、同じことをお経のように唱え始めるのだ。石原氏が経営委員長になってすぐに局員たちは「もう構造を描く番組はいらない」とか、「面白ければなんでもいい」、「今まで誰も見たことがないようなびっくり仰天する映像だったら何でもよい」、「インテリの言葉はいらない」などと口々に言い始めた。もちろん、石原進経営委員長がそれを強要したかどうかはわからない。ただ、石原時代に突入してジャーナリズムは大幅に後退したと言えるだろう。ジャーナリズムとは多かれ少なかれ、構造を解明するものだからだ。 
 
  石原氏が実際にNHKでどんな言動を行っているかは不明だが、石原氏が日本会議の名誉顧問だったことは無視できないだろう。日本会議と言えば森友学園をめぐる国有地の不正払い下げ事件でも決裁文書に出てくる政治組織である。改憲の最大の推進母体だ。そして改憲を進める政治家・安倍晋三の強力なサポート組織でもある。この圧力団体の名誉顧問だった人物がNHKを支配してきたし、今も支配しているのである。 
 
  石原氏はNHK経営委員をしていた頃は日本会議名誉顧問だったし、籾井会長を推薦した時点でも日本会議名誉顧問だったはずである。石原氏が日本会議名誉顧問を辞任したのは経営委員長になった後の2016年7月である。とはいえ、そんなことで個人の心情や思想が変わることはあるまい。こうした人が経営委員会のトップに居座っていて、森友学園問題の真相究明をNHKは果たせるのだろうか。NHK局員たちもある意味、財務省官僚と同じなのだ。内閣人事局と同じで、出世できるかどうか上層部に運命を握られているのである。ジャーナリズムなどより、出世と安泰の方がはるかに大切だと考えるNHK局員が多くなった。 
https://mainichi.jp/articles/20160727/k00/00m/040/090000c 
  安倍首相をはじめ、内閣の大半は日本会議のメンバーである。いくら石原氏が日本会議名誉顧問を辞めたとはいえ、その存在は中立どころか今日に至っても安倍首相の応援団である可能性は否定できない。現実に2016年夏以来、NHKは籾井会長時代よりももっと大きく局の空気が変化したと言われている。NHKがどのように安倍政権の翼賛組織になったかは、NHKの未来を考えればNHK局員自身によって描かれなくてはならないのではないか。 
 
 
武者小路龍児 
 
 
 
※NHK、和泉洋人総理補佐官、読売新聞 そして前川喜平前文科省事務次官  日本報道史に残るであろう闇 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201706241331556 
 
※メディア観戦記 43 木村結 〜森友学園と 安倍首相の疑惑〜木村結 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201703041758036 
木村結「しかし、それを報道した報ステもNEWS23も鴻池事務所の面談記録だとして処どころ黒塗りにした数ページの資料を映し出した。NHKの報道では「白塗り」で一見、隠した部分はないような錯覚さえ覚える。私もマンマと騙されてしまった。」 
 
※首相記者会見  空疎な上っ面の言葉に終始  何一つ具体的な言葉が語られず  会見直後、岩田明子NHK政治部記者が「会見のポイント」を解説 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201706191825091 
 
※安倍首相 「税は議会制民主主義の基礎である」 
http://www.nikkanberita.com/read.cgi?id=201411182309112 
 
※麻生副総理に原発マネー 九電と関係の深い企業から3年間で献金192万円 
http://www.jcp.or.jp/akahata/aik14/2014-07-27/2014072701_05_1.html 
赤旗 2014年7月27日付け 
 
「泰氏は、18日夜には、貫正義九電会長、石原進JR九州相談役らとともに、福岡市を訪れた安倍首相と博多の料亭で会食、川内原発の早期再稼働を要請、首相から『川内はなんとかしますよ』という“答弁”を引き出しています。」 
 
この頃、石原進氏はNHK経営委員の立場だった。そして、2年後の2016年にはNHK経営委員長となる。報道によると、ある自民党関係者がNHK経営委員に石原氏を推薦するように圧力をかけたとされる。 
 
「2016年7月10日、鹿児島知事選で原発をいったん停止し再検査をすることを公約とした三反園訓が現職の伊藤祐一郎を破り初当選し、九州電力に対し即時停止を二度要請したが、その後、10月6日より定期検査に入った1号機に対し、自らに原発を稼働させるか稼働させないかの権限はないとした上で、再稼働を容認する姿勢に転じ、1号機は同年12月8日に再び運転を再開した」(ウィキペディア) 
 
 石原進氏がNHK経営委員長になったのが2016年6月であり、それから4か月後に川内原発が再稼働することになり、12月に運転が再開された。九州における原発推進勢力の要だった石原氏が川内原発再稼働の直前にNHKの経営陣のトップに就いたのは果たして偶然だろうか。 


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