2018年03月21日22時48分掲載  無料記事
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国際

シリアに根付くイラン 抵抗の枢軸を拡大

 2月19日付のThe New York Times紙は、2月にイランの小型無人機がイスラエル領空へ侵入したことに端を発するイスラエルによる報復空爆によって、イランがいかにシリアに根付き、中東におけるイスラエルへの「抵抗の枢軸」が拡大しつつあることを報じた。今回の戦闘で、この地域の戦略的地図は塗り替えられることとなったと同紙は述べている。 
 イランのイスラム革命防衛隊出身の戦術顧問は、シリア各地の軍事基地に派遣され、同防衛隊の指揮官は、各地の戦線に定期的に足を運んでいるという。当初、シリアのアサド政権防衛のために派遣されていたものが、反政府勢力が消え失せると、イスラエルへの抵抗勢力として存在するようになったと同紙は伝えている。また、偵察や空中からの攻撃を目的とした無人機などの新技術を導入しているという。 
 同紙は、イランからヒズボラへ武器の供与を行うことができる陸上の通路が形成されたと伝えており、イスラエルは北に戦線を持つこととなる。トランプ米大統領の国家安全保障補佐官であるマクマスター陸軍中将は、「今こそイランと対峙する行動を起こすべきだ」と発言しており、イスラエルとイラン・ヒズボラ、双方とも戦闘は望んでいないものの、緊張は高まらざる得ない状況となっている。 
〔ND米紙ウィークリーニュース第139号(March 12, 2018)〕 
 
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