2018年03月25日23時50分掲載  無料記事
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人権/反差別/司法

右派評論家櫻井よしこ氏のウソがばれた 植村裁判法廷で本人が認める

 ネトウヨのアイドル、櫻井よしこ氏のウソがばれた。元朝日新聞記者植村隆さんの慰安婦問題をめぐる記事をねつ造呼ばわりし、植村さんが名誉棄損で訴えた裁判で、右派評論家で朝日新聞攻撃の先頭に立っている櫻井よしこ氏の言説が、逆にウソだったことがわかった。札幌地裁で3月23日に行われた第11回口頭弁論における証言で櫻井さん本人が認めた。(大野和興) 
 
この裁判を支援する「植村裁判を支援する市民の会」は速報で、「櫻井よしこ氏が自身のウソを認める!裁判の核心、『捏造決めつけ』の根拠が揺らぐ重大な展開」と報じた。 
 
植村氏は2015年1月、植村氏が執筆した記事が捏造であると書いた文藝春秋と西岡力国際基督教大学教授を損害賠償と謝罪広告を求めた訴えた。続いて同2月10日、櫻井氏と新潮社ら三社を相手取り、同様の訴えを行った。 
 
この桜井裁判の第11回口頭弁論が3月23日、札幌地裁で開かれ、原告植村隆氏、被告櫻井よしこ氏に対する長時間の本人尋問があった。これまで桜井氏は「(慰安婦と名乗り出た女性が日本政府を提訴した訴状に)養父に40円で売られた」とさまざまなメディアに書いたり語ったりしてきてた。しかし当該訴状にはそのような記述はなく、櫻井氏はこれまで自身が主張してきたことは間違いだったことを認め、訂正を約束した。 
 
 
以下、「市民の会」の速報を紹介する。 
 
この尋問で、櫻井氏は、いくつかの記述に誤りがあることを認めた。この記述は捏造決めつけの根拠となるものであるため、植村氏に対する誹謗中傷が根も葉もないものであることがはっきりした。櫻井氏本人がウソを認めたことにより、櫻井氏の根拠は大きく揺らぎ、崩れた。植村裁判は終盤のヤマ場で、核心部分に関わる重大な展開をみせた。 
 
尋問は午前10時30分から、植村氏、櫻井氏の順で行われ、午後5時前に終了した。両氏が法廷内で向かい合うのは第1回口頭弁論(2016年4月)以来2年ぶり。裁判大詰めの場面での直接対決となり、傍聴希望者はこれまでで最多の252人。抽選のために並んだ列は地裁1階の会議室からあふれて廊下、エレベーターホールへと伸びていた。63枚の傍聴券に対する当選倍率は4.0倍となった。関東や関西、九州から前日に札幌入りした植村支援者もこれまた最多の20人ほど。一方、櫻井氏側の動員によると思われる人たちの姿もいつになく目立った。 
満席となった805号法廷は、開廷前から熱気とともに緊迫した空気に包まれた。弁護団席に、植村氏側は34人が着席した。東京訴訟弁護団からは神原元・事務局長ほか6人も同席した。櫻井氏側はいつもと同じ7人に新たに2人が加わった。いつもは空席が目立つ記者席は15席すべてが埋まった。 


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