2018年04月29日23時45分掲載  無料記事
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国際

比、IS系との戦闘で被害 復興で中国と協力

 4月10日付のThe New York Times紙は、フィリピン軍と「ISIS」系武装勢力との戦闘があったフィリピンのマラウィ市の現状を伝え、フィリピン政府が、マラウィの復興で中国と協力しようとしていることを報じた。 
 「ISIS」系武装勢力が10ヵ月以上前にマラウィを占拠したことで、マラウィでは数カ月に及ぶ軍事包囲やアメリカ支援の空爆があった。昨年10月にフィリピンのドゥテルテ大統領が勝利を宣言して以来、マラウィのイスラム系住民たちは依然として避難生活を余儀なくされているという。同紙によると、最近になって、ようやく住民たちは帰宅を許可されたものの「各家庭二人ずつ、一日のみ」など一時的なものにとどまっているという。 
 同紙によると、カトリックが大半を占めるフィリピンではイスラム系住民は冷遇されている。そのため、住民は帰宅後、自宅が「ISIS」系武装勢力ではなく、フィリピン軍によって略奪されたとみているという。 
 ドゥテルテ大統領は習近平国家主席と推定15億ドル規模のプロジェクト等の議論を目的に中国を訪問、海南省での経済会議に出席した。同紙によると、フィリピン政府の目はアメリカから中国へ向いており、マラウィの復興はその好例で、「アメリカの軍事援助によって一部もたらされたマラウィの破壊は、中国主導の共同事業体によって復興される」とフィリピン政府関係者は考えているという。 
 また、同紙は、フィリピンは、中国と領土問題を抱えながらも、中国の対外拡大政策「一帯一路」の政策に沿って、アメリカと袂を分かつ動きをみせていると伝えている。 
〔ND米紙ウィークリーニュース第142号(April 28, 2018)〕 
 
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