2018年06月06日00時30分掲載  無料記事
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国際

ポル・ポト派元司令官  再び反米感情をかき立てる

 5月14日付のThe Washington Post紙は、元クメール・ルージュの司令官であり、現カンボジア首相のフン・セン氏が、7月の選挙戦を控え、抵抗勢力を支援する米国への批判の声を強めていると報じた。 
 過去33年間、カンボジアの首相を務めているフン・セン氏は、7月29日の選挙での再選を決定的にするための対策を講じているが、支持を集めるため、国外からの脅威を求めており、米国をうってつけの悪役に見立てていると同紙は伝えている。 
 昨年6月に行われた地方選挙では、妨害活動があったにもかかわらず、野党勢力が全投票数の44%を獲得した。プノンペンに滞在する欧米の外交官は、「政府にとっては気が気でない結果となった」とみている。 
 この地方選挙以来、フン・セン氏による野党勢力や批判の声を抑圧する動きは激しさを増しており、CNRP(カンボジア救国党)は党首が反逆罪で逮捕され、正式に解党させられた。 
 また、米国からの資金援助を受けた独立系メディアは閉鎖に追い込まれていると同紙は報じている。 
 国連は今年3月、選挙の公平性を期すため、野党の復権と党首の釈放を呼び掛けており、これにより国際的な圧力も強まっている一方、同紙によるとカンボジア政府の背後に控える中国が、カンボジアに反米メディアを創設することを支援しているという。 
〔ND米紙ウィークリーニュース第143号(May 29, 2018)〕 
 
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